うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

調理場という戦場を読んで

調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)
「がむしゃら」って言葉があるじゃないですか。
あれがぴったりくるような、
料理人奮闘記。
今は三田にある「コート・ドール」というフレンチレストランのオーナーシェフさん。
斉須政雄さん。


名前で検索すると書籍やお店の情報にまぎれて
掃除は、自分をゼロに戻してくれる座標軸のようなもの
なんていう記事が出てきます。
一日四回しっかり掃除するレストラン。
素晴らしい。


漠然と掃除するんじゃなくて、
拭き方や手順が決まっている掃除。


どんな本なの?

一流のフランス料理人を目指すために、
フランス料理の三ツ星レストランで働きたくて、
フランスに渡る。
文化の違いに戸惑いながら、戦いのような日々を過ごす。


いろいろなレストランを渡り歩きながら
いろいろなことを学んでいく。
最初はフランス語もたいしてわからない中で、
見て動いて悩んで学んでいく。


最初は朝から晩まで雑用かと思いきや、
突然ソースの担当になったり、
移った先の店が合わなければすぐ次に行ったりもする。
かと思えば、素晴らしい師匠との出会いが待ち構えていたりもする。


働くお店も一つ星→二つ星→三つ星→新規に始めた店でオープン2年で2つ星ゲット!
みたいな、名も実もあるお店多数。
そのくせ、それぞれの店はそれぞれまったく違う。
雑多で効率的ではないところもあれば、
清潔で整然としたところある。


最初はわからなかったフランス語は
いつしか話せるようになっているし、
部屋も狭い屋根裏からどんどん広くなって
人も呼べるようになる。


いっしょに働いていた人と新しいお店も出した後には
そこでも星を獲得するような経験もする。
昔はフランス語なんてわからなかったし、
料理もほとんどわかったなかったはずなのに。


今現在何ができて何ができないかじゃないんだよね。
今何をするか。
いつかしたいことはなんなのか。


意思の力と実行力。
偉大な2つの力ですね。

どんな人に読んで欲しい本だった?

・フランス料理の料理人になるためにフランスに行きたい
・一流になるための修行がしたい
・前のめりに生きる人の物語が読みたい
・あきらめなかった人の物語が読みたい
・言葉なんてわからなくてもなんとかなる、と信じたい
・料理人の仕事って料理を作ることじゃないの?と思っている
・人からほめられないのは周りの人の見る目がないからだと思う

コミック版 100円のコーラを1,000円で売る方法 Kindle版を読んで。読書感想文。

コミック版 100円のコーラを1000円で売る方法
マーケティング本とかビジネス書のまんが版って読んでる?
私はこの度初めて「コミック版」が頭につく本を読んでみました。
元のを読んでないからアレだけども。


内容はちゃんと良かったので、
ビジネス書とか読むのって、っそっだっりーけど読んどこうかな、
という方には良いかと思う。


ちょっとアレだなー、と思う点としては、
普通のビジネス書みたいに飛ばし読みがしにくいこと。
内容の理解はしやすいけど、
その分読むのに時間がかかる気がする。


マーケティングの具体的な方法論や考え方も出てくるし、
いろんなキーワードが散りばめてある。
あと、ちゃんとまんがらしく問いかけが出てから一瞬のタメがあるので、
そこで自分が考える練習もできる。


また、すでに他のいろいろなもので勉強している人でも、
改めて別な角度から勉強してみる、
というのの良いツールになるような本でした。


っつーか、
まんがを読むのと活字を読むのって、
やっぱり違うね。
まんがを読むのは作者側のリズムで、
活字を読むのは読者側のリズムなんだな。


そこに気づいただけでも、
食わず嫌いせずに読んでよかった。

どんな本でした?

ある会計パッケージソフトの営業から
マーケティングの部署に一人の女性が異動してくるところからストーリーが始まる。
基本的に全部自分で進めないといけないような環境。
やるといったからにはやる。という意気込みで進める!


上司はアドバイスと承認/非承認の区別だけをする感じ。
詳しそうなんだからお前がやれや!と思わなくもない。
で、内容としてはパッケージ販売からクラウド+手厚いサポート
みたいな方向性に進んでいく、という、
なんだか今時あるあるな流れ。


んで、ストーリーの合間合間に
「まとめのページ」的なのが入ってくるので、
まずはそのページだけ読んでもよいかも。
あ、立ち読みして本屋さんに迷惑かけんなよ!

こんな人に読んで欲しい本でした

・なんか最近物が売れねーなー、とお嘆きのあなた
マーケティング的なセンスも欲しい営業さん
マーケティングの基礎が知りたいマーケター
・知ってるよ?知ってるけどほら、別な軸で見直すのって必要じゃん?というあなた
・コミック版ビジネス書を片っ端から読んでるけどこれは読んでないあなた
・コミック版ビジネス書ってあれでしょ?まともな本が読めない人が読むんでしょ?
 と食わず嫌いしているあなた


Pardotユーザ会に参加くださっている某Iさんに教えてもらった本でした。
ユーもキャンできるならリードしちゃいなよ。
あとPardot使ってる人はみんなユーザ会に来てください。
登壇してくれる人や事務局をやってみたい人も募集中。

沈黙のwebライティングを読んで。読書感想文

沈黙のWebライティング ?Webマーケッター ボーンの激闘?

少しでもためになることを人に伝える。とか、
わかりやすい文章を書く。とか、
少しでもオモシロイことを言う。
みたいなことは、一生をかけてやりたいことの一つです。


ブログ書きであれば、ちょっとでも人に読まれる文章を書きたい。
どこかで見たような文章ではなく、
少しでもオリジナリティがあるものを書きたい。
とにかくもう、学校や家には帰りたくない。
いや、関係なくなっちゃった。


自分の存在がなんなのかさえわからないよりは、
世のため人のためになるような文章を書くこと。
君の心が進む長い一本道を少しでも照らすこと、
それこそが僕の生きる印だと思うんです。


なんかもうこの、
古い歌詞を織り交ぜるのやめようかな…。
世代によってはさっぱりわかんないし、
ニヤっと笑う人すらいなさそうだし。


いや、問題は「古い」「知らない」ってとこにあるのか?
誰でも知ってる曲にする?
すっかりまいごのまいごの子猫ちゃんだぜ。


まあいいや。


ええと、
KDDI Web Communicationsというところの、
CPIというレンタルサーバーサービスがあるんですね。
ホームページを作って載せるアレね、レンタルサーバー


んで、そこのwebサイトの「その他のコンテンツ」というところに、
「沈黙のWebライティング」と「沈黙のWebマーケティング
というページがあるんです。
この本はそれをまとめて、章末のおまけをつけたもの。


えっ、webに載ってんの?
タダで見れんの?
というと、載ってます。
でもまとめて読めることや、
まとめでしっかりまとめて読めることを考えると、
書籍版もアリだと思いました。

どんな本なの?

栃木県のある温泉旅館、
先代である両親に先立たれた若女将が途方にくれている。
限られたリピーターだけでは予約が増えないし、
Webサイトからの予約は一日一件しか入らない。
右肩下がりの危機的状況。


そんな旅館にある日、
スゲー人が来て、スーゲー改善策をじゃんじゃん施して、
スッゲー予約が入るように女将やその弟を教育していく
(主人公は教えるだけで実際やるのは女将たち)
(ちなみに主人公の腹筋はスッゲーバキバキに割れている)。
というストーリーを通してWebの勉強ができちゃう、
「スゲー」の在庫が無くなりそうな本です。


Webの内容をそのまま書籍にしたようなものなので、
顔のイラストの隣にセリフがあるような、
半マンガみたいな、本としては変な構成なんですが、
慣れれば読めます。


アドワーズなんかのWeb広告に関する話がほぼ出てこなかったり、
旅館の話な割に旅館検索/ポータルのようなサイトのことが
ほぼ出てこなかったり、という、
「これ一つで全て学べる!」
という本ではないんですが、ことライティングに関しては
わかりやすい内容なんじゃないかと思います。

こんな人におすすめしたい本でした。

・旅館の跡取りでWebサイトで集客しないといけない
・Webサイトで今よりも集客したい
SEOにつながる文章の作り方を知りたい
SEOにつながる文章の骨格を知りたい
SEOにつながる文章の魂を知りたい
・腹筋バキバキの主人公がパソコンをブッ壊すストーリーを読みたい
・荒唐無稽なストーリーを読んでシャドーつっこみの特訓をしたい

祝!カズオ・イシグロさんノーベル文学賞受賞!大好きな3冊の感想を振り返る。

祝!カズオ・イシグロさんノーベル文学賞受賞!


いやいやいやいや、なんですかこの嬉しい感じは。
去年のボブ・ディランに続き、なんてセンスがいいんだノーベル賞選考委員会。
カズオ・イシグロさん。「今まで違うことに毎回挑戦している作家」だと思っていて、
それが評価される、というのが素晴らしい。
好きだッ!


料理の世界で言うなら、
フェラン・アドリアみたいな人だと勝手に思ってるんです。
エル・ブリ料理長だった人。
既存の素材を今までにない組み合わせを使って新しい料理を作ったり、
あるいは、まったく新しい料理法を試してみたりする。


イクラかな?と思って口に入れると、
メロンのジュースを球形にしたものだったり、
(アルギン酸ナトリウム水溶液と炭酸カルシウムを使って液体を球状にする方法を使うそうですよ)
(いや、食べたことないけども)
(なんかカラダに悪いよ説もあるらしいけども)


・予想を裏切る驚きがある
・そしてその驚きが「どっかでみたようなやつ」ではない
・全体を覆う違和感の演出が絶妙
・感情の描写を真面目にやらせたら職人芸的なうまさなのに、
 あえてそれを封印して一冊書いたりする。
そんな本を書く人なんですよ。


マーガレット・アトウッドさんとかこの人は
「次世代の作家」感が強いと思っているんですが、
私だけでしょうかー。

わたくしとカズオ・イシグロさんの著書

日の名残り

数年前に
「どうでもイイ本をたくさん読むよりも、誰かがイイって言ってた本を読もう。」と思ってから、
友人やネット上の記事からおすすめ本を集めて読むことをしています。
その中で、
amazonのCEOジェフ・ベゾスさんがおすすめしている
日の名残り」っていう本があるらしいぜ。
ってことで読んでみたのがはじまりでした。


ジェフ・ベゾスがおすすめだという「日の名残り」を読んでみた - うさみ本棚
日の名残り (ハヤカワepi文庫)



これ、
ジェフ・ベゾス 果てなき野望」
という本の巻末にあった
「従業員や役員に読ませたい本」の
リストを誰かがネットにあげてたようです
(元は読んでないのでそのうち読む)


とにかく印象的だったのが、
主人公の感情の移り変わり。
1920年代の風景が見えるような描写も素晴らしいんだけど、
風景以上に感情の描写。


ちょっと前に
「人間の感情が27種類だと特定された」みたいな記事があったけど、
"Researchers Pinpoint 27 States of Emotion(英語記事)"
これを知ってたんじゃないかっていうくらい、
一言では言い表せない感情がいろいろでてくる。
くどくど書いてないのに伝わる。

わたしを離さないで

次に読んだのが「わたしを離さないで」
カズオ・イシグロ著、私を離さないでを読んで。読書感想文。 - うさみ本棚
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)



ドラマ化されたり映画化されたりしたので、
タイトル知ってる人も多いと思う。
これも設定の突飛さもイイんだけど、
心の動きの表し方も素晴らしかった。


一つ一つの対話が、
「これ、映像にしたら伝わらなくなるぞ…」
って思わせるような細かい描写。


ゆっくりゆっくり感情移入させて、
事実を突きつけてドン底に落とすストーリー。
残酷で、かつ「正義とは」という問題に向き合うような話だった。
人間の繊細さと強さ。

忘れられた巨人

カズオ・イシグロ著、忘れられた巨人。読書感想文。 - うさみ本棚
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)


これもおっもしろかった。
スッゲーの。


上2作は
「そんな気持ちをそんな表現で書きます!?」
っていう内容なんだけど、
この本ではばっさり内面的な感情の表現を減らしてきます。


チャレンジャーですよ。
飛車角落ちもいいところ。
「幾つかの言葉を意図的に使わないことでリアリティを増した」
みたいなこともしてるらしい。
でも、でもオモシロイ。
好きだッ!


この本を言い表すうまい例えが見つからない。
12世紀からあるような素材なのに、
新しい調理法で新しい盛り付けで、
料理なのかすら怪しいものを仕上げてくる。
いや、小説だから料理じゃないんだけど。たとえねたとえ。


まあ、なにが言いたいかというと、
受賞云々にはあまり関係なく、
好きな小説家だな、ってことです。
書店等にもこれを機に平置きされたりすると思うので、
みんな読もうね!!

OP.ローズダスト(上・中・下巻)を読んで。読書感想文。

Op.ローズダスト 上中下巻セット (文春文庫)

爆弾がね!ドッカ~ン!ってなんの!何回もなんの!
んでね!悪いやつがね!悪いやつがカッコいいの!
おまわりさんたちも「うわー!」ってなんの!「やべー!」ってなんの!
ビルとかヘリとかもドカーン!ドカーン!!ってなんの!
でね!切ないの!
でもね、きっと最後に正義は勝つの!
以上!


と、頭の悪そうな感想を先に書いておきましたが、
だいたい合ってます。
だいたい。
ネタバレだけど、この程度読んでもゆるがないくらいおもろいから大丈夫。


爆発の描写がとにかく細かいのです。
ほんとに資料読んだだけで書いてる?
実は「趣味爆破」みたいな人じゃないの?
っていうか実験して書いてるんじゃないの?
と疑いたくなるくらい細かい。


なんというかね、
好きなんだろうな―、と思う。
爆発。飛び散るガラス。兵器。汗泥まみれ。


これでセクシー美女が出てきたらハリウッドだけど、
出てきません。
20代半ばからアラフィフくらいの男子が大活躍。


SFではないフィクションなんだけど、
できるだけ細かく描写してあって、
現実味を持たせてある。
でもたまに割りと雑だったりもする。


最初は設定とか描写の細かさに
「うわー」って思いながら読んでるだけど、
だんだん登場人物の内面・感情みたいなものが見えてきて、
感情移入などしつつぐいんぐいんと読み進めてしまう。


最初はなんかヤングジャンプみたいな話だなーと思ってたのが、
最後はもう週刊少年チャンピオンみたいになります。
わかりにくい?すいません。

どんなお話ですか?

ババーン!
謎の組織によってある大企業の駐車場が爆破され、
その企業の役員の一人が死亡した。
果たしてこれは無差別テロ事件なのか、
それとも目的を持った殺人事件なのか!


ドドーン!
主人公たちが次の事件を防ぐために奔走。
何手も先を読む犯人グループ。
いくつもの組織の思惑が絡み合い、
主人公たちの足元を蛇のように這いずり回る。


フッワー!
差し挟まれる過去の記憶。
主人公の過去と失った物。
必然的な再開。
どちらかが消えるまで終わらない決闘。


ズズーン!
そんでとにかく爆発!爆発!爆発!
石原軍団も目じゃない爆発!爆発!
ハッカー!スナイパー!ボマー!ヘリコプター!おじさん!
しぶいおじさん!胃が弱そうなおじさん!戦うおじさん!怪我するおじさん!


ほんとだってほんとにこんな感じの本なんだって!

こんな人におすすめしたい本です

・ハリウッド超大作!的なのが好きだけど、大味すぎるのはちょっとね、という方
・暴れまわるだけじゃなくて描写がうまくないとね、という方
・なんでもいいから上中下くらいの小説読みたい、という方
・爆弾が好きな方
・ビル破壊の映像とか見るとうっおー!ってなんか思う方
・お台場とか、浮ついててあんまり好きじゃないな、という方

HARD THINGSを読んで。読書感想文。

HARD THINGS

CEO界のしくじり先生や!というのが、
一言でこの本を表した言葉です。


あ、しくじり先生見てない人はすいません。
アレです。テレビ番組なんですが、
いろんな分野の一世を風靡したけどその後しくじった経験のある人が、
「なぜしくじったか、そこから何を学んだか」を
学校の授業スタイルでコミカルに伝える内容なんですよ。


しくじった人の中にはすでに華麗な復活を遂げてる人もいれば、
まだ苦しみのどん底から脱出していない人もいる。
そう思うとこのホロウィッツさんは抜け出した方の組。

どんな本ですのん。

この本の日本語版序文には

吐き気と悪寒。

って書いてあります。
なかなかトンチのきいた出だし。


あるベンチャー企業の経営者さんは
スタートアップは死なないことが一番大事 – The First Penguin
という記事の中でこの本を

最近話題の『HARD THINGS』という本も、本当にひどいことがたくさんおきて、そのたびに乗り越えて、最終的には大成功するという本ですが、読んでいて本気で吐き気と動悸がつらかったのでおすすめしておきます。

と評しております。


ほんと。
しくじっちゃうところなんだね。
というか、自分がしくじらなくてもドエラいことになっちゃうのが
企業・経営者というものなのですね。


なにかの記事で
「日本は米国と法制度が違うから、ベンチャー企業が立ち上げにくくて云々」
みたいな話を以前見たけども、
例えばがんばって採用して活躍してる社員を解雇する話とか、
つらさはかわらない。


なんというか、軸がブレそうになるというか軸がブチ折れそうになることが
いろいろ起こるんです。
でも逃げちゃダメだ逃げちゃダメだって言って(言ってはないけど、逃げずに)
立ち向かったことが書いてある本です。


経営者ではない人も、経営者の考えてることや、
今の自分の視点より一個高い視点から物事を見るために
読んでみてもいい本かも。


目次読むだけでも楽しいよ

第5章 人、製品、利益を大切にする この順番で

とか、

第8章 起業家のための第一法則 困難な問題を解決する法則はない

とか。


あ、個人的にグッと来たのは

アンディ・グローブ曰く、マネジャーが生産性を改善する方法はふたつしかない。
動機づけと教育だ。

ですよ。


私はみんなが一緒に仕事をしたいと思う人になりたいなー、
みんなが働きたいような会社で働きたいなー。と思ってるんだけど、
こんな事考えてる会社で働けたらよいよね
(まあ、程度がありますよ程度が…。)

こんな人に読んで欲しい本でした

・経営者のみなさん(できれば体調のいい時にどうぞ)
・マネージャーのみなさん
・会社員のみなさん
個人事業主のみなさん
・組織のリーダーのみなさん
・なんだかよくわかんないけど経営者と結婚しちゃった主婦or主夫のみなさん
・経営者の武勇伝武勇伝が聞きたい人


×これから企業を経営しようかどうか迷ってる人にはおすすめしません

アンドリュー・パーカーさんの「目の誕生」を読んで。読書感想文。

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

380ページくらいの本ですが、ざっくり要約すると、
「生き物が複雑な進化をしたのは、目ができたからで、目ができたのは、光があったから。」
という本です。以上!


で終わると短すぎるので、もう少し書きます。


ダーウィンがね、
あのダーウィンさんが、
その昔、言ってたらしいんです。


ほんっま不思議やわー、って。


なんである時期より前はほとんど化石でぇへんねやろ、
なんで「目ぇ」なんて複雑なもんができたんやろ、
なんでやろーなんでやろーなんでやなんでやろー言うて、
まあそのまま死なはったんやけども。


そのダーウィンの謎に対する答えが書いてあるのが
この本です。

どんな本ですか?

以下、ネタバレします。


地球は今から46億年前に生まれて、
40億年後くらいに海の中で最初の生命が生まれたらしいんですね。
単細胞生物が海の奥底の火山の火口近くで生まれた。
んで、今から10億だか15億年前くらいに多細胞生物が生まれた。と。


でも最初のころの多細胞生物は、
ミミズのご先祖さんくらいのやつだったんだって。
途中地球が超暑くなったり、
超寒くなって表面が氷に包まれたりもしつつ。


そこからちょっとして、
5億4300万年前くらいにブワーッと
いろんな形の生き物が生まれたんだって。
これが「カンブリア爆発」というやつ。


んで、なんでそうなったの?
というと、薄暗かった世界だったのが、
光の量がちょっと増したんだって。


そうすると、一番最初は「明るいか暗いか」くらいしかわからない、
ただのセンサーみたいなものを装備した生き物が生まれた。
そこからグイグイ複雑になって、
今と同じような「目」を持った生き物が生まれたんだって。


それが三葉虫
三葉虫の化石って世界中にあるんだって。
世界中に広まったんだね。


目がある生き物と目がない生き物が戦ったら、
目がある方が勝ちそうでしょ?
じゃあ目があるのと目があるのが戦ったら?
そりゃ硬いとかすばしっこいとかヤバイ武器があるとか、
特徴があるのが生き残る。


死ににくい特徴のあるものが生き残って子孫を残す。
子孫を上手に残せたものだけが主として生き残る。
そんなトライアンドエラーを繰り返して、
生き物はずんずん進化していったんだって。


そうすると、
「速い」とか「硬い」とか「毒がある」とか「空を飛ぶ」とか「むっちゃ頭いい」とか「むっちゃキバ長い」とか「群で行動して獲物を襲う」とか「とにかくでかい」とか「葉っぱにしか見えないから誰にも襲われない」とか「別に危険はないけど、メスにモテるためにド派手」とか「地中なら敵がいないからとにかくもぐる(そしたら目が見えなくなったり)」とか
とにかくいろんな方向に進化していくわけですね。


進化ってほんと誤解を招く言葉で、
進んで化けたんじゃなくて
「生き残っちゃった」んだよね。


生き残れるようになったんじゃなくて、
生き残っちゃったやつしか生き残らなかったんだと。
言葉遊びみたいになってるけども。


この本では、そんなストーリーを順番に説明するんじゃなくて、
生命の誕生や目の誕生に関するいろんなトピックスを説明して、
最後に結論を導き出すような本です。
いろんな情報が散りばめられてます。

こんな人に読んで欲しい本でした。

・生き物の進化に興味がある
・いきもののふしぎをべんきょおしたいです
・地球の歴史に興味がある
・化石のことを知りたい
・そもそも「最初の生命」に興味がある
カンブリア爆発について知りたい
・信心深いので、ご先祖様が誰なのか知りたい
・神様が7日間で世界を作ったんだからそんなわけない、と思う
・空飛ぶスパゲッティモンスターが世界を作ったんだからそんなわけない、と思う


ちょっとブ厚いし固い内容だけど、いい本でした。
私、おもしろい本に「目がない」ので、
オススメの本があったら教えてくださいね。
なんつってな。