うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

<インターネット>の次に来るものを読んで。読書感想文。

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

実は、
・なんだか話題の本である
・将来予測の本である
・WIREDの創刊者が書いた
という話だったので、
期待を上げすぎてしまっていたのか、
なんかちょっとアレな読後感になった。


たぶん、未来というよりも今の話っぽかったからかな。


現時点でのまとめというか、
「今こんなのあるよね」という点に関しては
しっかりまとまっててイイ本だったと思うし、
それを元にして、キーワード毎に分類していった進め方もいいと思う。


自分の中で「未来が書いてある本」みたいなつもりで読み始めちゃったので、
「IT界隈って今こんな感じで、この先こんな感じ」
という内容のこの本がどうもなじめなかった。


これだったら、ミチオ・カクさんの
「2100年の科学ライフ」の方がよくね?
って思ってしまったのだった


だってあっちはナノテクとかバイオとか宇宙の話もあるし
エネルギーの話もあるし。
300人だかの科学者にインタビューしまくって
書き上げた本だもの。


そう思うと未来本の内容って
・内容の濃さ
・見通す未来の遠さ
みたいなものが尺度としてあるのかもな、
とも思った。
読みやすさでは今回のの勝ちだけどね。

こんな人に読んで欲しい本でした

・タイトルからしてどんな内容か気になる
・インターネット大好きだけどまだ読んでない
・今時のwebサービス屋さんをたくさん知りたい
・キーボードを打つのもめんどうだし、ヘイシリとか言うのもめんどくさい
・未来が知りたい

伊藤計劃さんのThe Indifference Engineを読んで。読書感想文。

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)

癌で亡くなったSF作家、伊藤計劃さんの小説です。
長編はもう本当に本当に作り込まれたものがあるので、
そっちはそっちでぜひ読んでほしいんですが、
これは短編集です。


天才画家のラフスケッチみたいな短編集。
どこかに矛盾があってもおかしくないくらいの、素材に近い状態。
大人気連載まんがが始まる前の短編読み切りを見てる気分。
ワンピースが始まる前のROMANCE DAWNみたいな。

どんな本なの?

007の裏側を描くストーリーを書いてみたり、
メタルギアソリッドが好きすぎてアナザーストーリーを作ってみたり、
近未来の戦後の元少年兵の苦しみを描いてみたり。


うん。
なんというか、完成品の長編を読んでいた時は
「よくこんなの書けるなー」と思っていました。
でも、いきなりその高みにいたわけではなく、
ちゃんと助走があったんだね。


Disney Pixarの映画を作る時のブレイントラストってミーティングのように、
「最初はつまらないものをどんどん磨き上げていく」過程がちゃんとあるんだなー、
と思う。


とはいえ、ラフスケッチの段階でもうすでに
「こんなの、よく書けるな…」と思わされるような文章です。
イデアもいいし、描き方/見せ方も大好き。
いきなりまんががはじまったりするのは驚いたけどね。


上に書いた少年兵の話なんて、
ほんとにこの先ありそうな話なんだよね。
がっつりネタばれしない程度に書くと、
「もしも、戦後に敵を敵として認識できなくなる技術があったら」
みたいなテーマ。


幼いころから根絶やしにするべし!と教えられた敵を
敵として認識できなくなったら平和は来るの?
みたいなテーマ。
おもしろおそろしい。


たぶん、サビを思いついてからAメロBメロを作るミュージシャンみたいな
人だったんだろうなあ、と思うんです。
イデアありきで膨らませて、いらない部分を削っていって。
ああ、ほんと、新刊が読みたいけど読めない作家ランキングのかなり上位にいます。
伊藤計劃さん。

こんな人におすすめしたい本でした

伊藤計劃ファンだけどこれは読んでない
・読んだけど内容が思い出せない
・いろんなSFのアイデアをちゃちゃっと見たい
メタルギアソリッドが大好き
・007シリーズが大好き

ランチのアッコちゃんを読んで。読書感想文。

ランチのアッコちゃん (双葉文庫)
前に読書感想文を書いた「心のチキンスープ」っていう、
アメリカのいろんなほっこりするイイ話を集めた本があるけども、
あれを和風だし味にしたような、
ほっこりするお話多数。


体が昆布だしをもとめる時があるんですよ。
そんな時は大きな鍋にぬるま湯を張ってだし用の昆布を入れて、
一晩なり一日なりそのままにしておきます。
翌日昆布を取り出してなにかの料理に使います。


今の季節なら鶏肉や根菜が入った鍋にしてもいいし、
豚肉と大根とごぼうを使ったカレーもいい。
魔改造的にYOUKIの顆粒チキンスープを入れて中華スープにしてもよい。
貝のみそ汁を作るベースにしてもおいしい。


どれも腹の底からあたたまるような味。
グルタミン酸イノシン酸コハク酸
うまみ成分が全身にしみわたるような味。


かなり話がそれましたが、
この本は昆布だしが全身にしみわたるみたいな本です。
っていう話がしたかったんです。


どんな本なの?

独身都会暮らしで出版社で派遣事務の仕事をしている主人公が、
最初は怖いと思っている部長との距離がだんだん縮まっていく。
そのきっかけになったのは「ランチ」。
主人公の作るお弁当と、一週間ローテーションの部長のランチが交換され、
見えなかった世界が広がっていく。


数km以内に、
自分が知らない世界があって、
自分とは違う価値観の人がいて、
ものの見え方が変わると世界が変わる。


ものの見え方が変わるのは、
いつもの自分のデスクではなく、
わざわざ行かないといけない場所。
ちょっと遠くても、ちょっと怖くても、
行ってみないとわからないことがある。


飲食店の開店にまきこまれる話や、
ビルの屋上にビアガーデンを作る話や、
昔の恩師とともに、高校生を追いかける話などなど。
一話一話が短いのでサクサクサクサクっと読める。


魅力的な主人公ではない。
身近な身近な主人公。
その主人公が変わっていく様を見られるから、
自分も変われる、と思える本。

こんな人に読んでほしいような本だったです

・仕事かったるい
・仕事つかれた
・なんかだいたい一通りわかってきてマンネリっている
・今日も明日も昨日と同じことの繰り返しだ夢も希望もない
・職場に好きな人がいる
・職場に嫌いな人がいる
・毎日の食事が楽しみだ
・毎日の食事が楽しみではない
・たまにはいつもと違う道を歩きたい

パウロ・コエーリョさんの「アルケミスト―夢を旅した少年」を読んで、読書感想文。

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

これは本当に本当に素晴らしい読書でした。
こんなにいいものが600円くらいで手に入るなんて、
本当に本当に素晴らしいな、と思う。


たまーに、
読んだ読まないで
人生がかわっちゃうような本ってないですか?


おおげさ!
と思うかもしれないけどんなこたぁない。
いい師匠との出会いが人生を変える、
というのは、誰だって共感できるところだと思う。


本というのは紙の束に見えるけど、
それを書いた人の一側面をまとめたものだから。
その人との時間を楽しむように本を読みましょう。


その「師匠」というのは例えば、
実際に出会った職場の上司かもしれないし、
たまたま働いたバイト先の友達かもしれないし、
一冊の本を通して出会う著者かもしれないし、
鈴鹿8耐のテレビ中継で見たレーサーなのかもしれない。


実際の人として対面できたほうが
本当は良いのかもしれない。
でも、人によっては対面せずに、
一冊の本という形で目の前に
「師匠」があらわれるんですよ。

どんな本だったの?

1988年に発行されたものらしい。
なんで誰も教えてくれなかったんや、
というくらいイイ本。


世界を旅したブラジル人が書いた物語。
スペインの羊飼いがエジプトのピラミッドまで旅する物語。
決断。ビギナーズラック。苦難。立ち止まることの誘惑。
大事なのはゴールじゃなくて、その過程。


大きな目標を持ち、
日々の気づきを大切にする。
その中でいい師匠と出会って、
いくつもの教訓を得て成長していく。


人の話も聞きながら、
自分にできるかぎりのことをしていく。


時には失敗し、
本当に本当に凹む。
でもその度に起き上がり、
歩き始める。


ダメージがないわけはない。
ダメージをスルーするのでもなく、
立ち向かって乗り越える。
不幸を不幸として受け止める。


こう書くとむっちゃっくっちゃっ説教臭いけど、
これがほんとにスルスル読めちゃうストーリー仕立てになってるんですよ。
ほんと、スルッスル読めちゃう。

こんな人に読んで欲しい本でした

・人生変わっちゃうかも知れない本を読みたい
・挑戦をするつもりだ、誰かに背中を押してほしい
・すぐに挑戦をするつもりはないが、いつかする時の心構えをしたい
・好きな言葉は「人事をつくして天命を待つ」だ
・乗り越える話が読みたい
・砂漠の物語が読みたい
・砂漠のオアシスが出て来る物語が読みたい
・宗教臭すぎないスピリチュアルな話が読みたい


君も読もう。
是非。

調理場という戦場を読んで

調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)
「がむしゃら」って言葉があるじゃないですか。
あれがぴったりくるような、
料理人奮闘記。
今は三田にある「コート・ドール」というフレンチレストランのオーナーシェフさん。
斉須政雄さん。


名前で検索すると書籍やお店の情報にまぎれて
掃除は、自分をゼロに戻してくれる座標軸のようなもの
なんていう記事が出てきます。
一日四回しっかり掃除するレストラン。
素晴らしい。


漠然と掃除するんじゃなくて、
拭き方や手順が決まっている掃除。


どんな本なの?

一流のフランス料理人を目指すために、
フランス料理の三ツ星レストランで働きたくて、
フランスに渡る。
文化の違いに戸惑いながら、戦いのような日々を過ごす。


いろいろなレストランを渡り歩きながら
いろいろなことを学んでいく。
最初はフランス語もたいしてわからない中で、
見て動いて悩んで学んでいく。


最初は朝から晩まで雑用かと思いきや、
突然ソースの担当になったり、
移った先の店が合わなければすぐ次に行ったりもする。
かと思えば、素晴らしい師匠との出会いが待ち構えていたりもする。


働くお店も一つ星→二つ星→三つ星→新規に始めた店でオープン2年で2つ星ゲット!
みたいな、名も実もあるお店多数。
そのくせ、それぞれの店はそれぞれまったく違う。
雑多で効率的ではないところもあれば、
清潔で整然としたところある。


最初はわからなかったフランス語は
いつしか話せるようになっているし、
部屋も狭い屋根裏からどんどん広くなって
人も呼べるようになる。


いっしょに働いていた人と新しいお店も出した後には
そこでも星を獲得するような経験もする。
昔はフランス語なんてわからなかったし、
料理もほとんどわかったなかったはずなのに。


今現在何ができて何ができないかじゃないんだよね。
今何をするか。
いつかしたいことはなんなのか。


意思の力と実行力。
偉大な2つの力ですね。

どんな人に読んで欲しい本だった?

・フランス料理の料理人になるためにフランスに行きたい
・一流になるための修行がしたい
・前のめりに生きる人の物語が読みたい
・あきらめなかった人の物語が読みたい
・言葉なんてわからなくてもなんとかなる、と信じたい
・料理人の仕事って料理を作ることじゃないの?と思っている
・人からほめられないのは周りの人の見る目がないからだと思う

コミック版 100円のコーラを1,000円で売る方法 Kindle版を読んで。読書感想文。

コミック版 100円のコーラを1000円で売る方法
マーケティング本とかビジネス書のまんが版って読んでる?
私はこの度初めて「コミック版」が頭につく本を読んでみました。
元のを読んでないからアレだけども。


内容はちゃんと良かったので、
ビジネス書とか読むのって、っそっだっりーけど読んどこうかな、
という方には良いかと思う。


ちょっとアレだなー、と思う点としては、
普通のビジネス書みたいに飛ばし読みがしにくいこと。
内容の理解はしやすいけど、
その分読むのに時間がかかる気がする。


マーケティングの具体的な方法論や考え方も出てくるし、
いろんなキーワードが散りばめてある。
あと、ちゃんとまんがらしく問いかけが出てから一瞬のタメがあるので、
そこで自分が考える練習もできる。


また、すでに他のいろいろなもので勉強している人でも、
改めて別な角度から勉強してみる、
というのの良いツールになるような本でした。


っつーか、
まんがを読むのと活字を読むのって、
やっぱり違うね。
まんがを読むのは作者側のリズムで、
活字を読むのは読者側のリズムなんだな。


そこに気づいただけでも、
食わず嫌いせずに読んでよかった。

どんな本でした?

ある会計パッケージソフトの営業から
マーケティングの部署に一人の女性が異動してくるところからストーリーが始まる。
基本的に全部自分で進めないといけないような環境。
やるといったからにはやる。という意気込みで進める!


上司はアドバイスと承認/非承認の区別だけをする感じ。
詳しそうなんだからお前がやれや!と思わなくもない。
で、内容としてはパッケージ販売からクラウド+手厚いサポート
みたいな方向性に進んでいく、という、
なんだか今時あるあるな流れ。


んで、ストーリーの合間合間に
「まとめのページ」的なのが入ってくるので、
まずはそのページだけ読んでもよいかも。
あ、立ち読みして本屋さんに迷惑かけんなよ!

こんな人に読んで欲しい本でした

・なんか最近物が売れねーなー、とお嘆きのあなた
マーケティング的なセンスも欲しい営業さん
マーケティングの基礎が知りたいマーケター
・知ってるよ?知ってるけどほら、別な軸で見直すのって必要じゃん?というあなた
・コミック版ビジネス書を片っ端から読んでるけどこれは読んでないあなた
・コミック版ビジネス書ってあれでしょ?まともな本が読めない人が読むんでしょ?
 と食わず嫌いしているあなた


Pardotユーザ会に参加くださっている某Iさんに教えてもらった本でした。
ユーもキャンできるならリードしちゃいなよ。
あとPardot使ってる人はみんなユーザ会に来てください。
登壇してくれる人や事務局をやってみたい人も募集中。

沈黙のwebライティングを読んで。読書感想文

沈黙のWebライティング ?Webマーケッター ボーンの激闘?

少しでもためになることを人に伝える。とか、
わかりやすい文章を書く。とか、
少しでもオモシロイことを言う。
みたいなことは、一生をかけてやりたいことの一つです。


ブログ書きであれば、ちょっとでも人に読まれる文章を書きたい。
どこかで見たような文章ではなく、
少しでもオリジナリティがあるものを書きたい。
とにかくもう、学校や家には帰りたくない。
いや、関係なくなっちゃった。


自分の存在がなんなのかさえわからないよりは、
世のため人のためになるような文章を書くこと。
君の心が進む長い一本道を少しでも照らすこと、
それこそが僕の生きる印だと思うんです。


なんかもうこの、
古い歌詞を織り交ぜるのやめようかな…。
世代によってはさっぱりわかんないし、
ニヤっと笑う人すらいなさそうだし。


いや、問題は「古い」「知らない」ってとこにあるのか?
誰でも知ってる曲にする?
すっかりまいごのまいごの子猫ちゃんだぜ。


まあいいや。


ええと、
KDDI Web Communicationsというところの、
CPIというレンタルサーバーサービスがあるんですね。
ホームページを作って載せるアレね、レンタルサーバー


んで、そこのwebサイトの「その他のコンテンツ」というところに、
「沈黙のWebライティング」と「沈黙のWebマーケティング
というページがあるんです。
この本はそれをまとめて、章末のおまけをつけたもの。


えっ、webに載ってんの?
タダで見れんの?
というと、載ってます。
でもまとめて読めることや、
まとめでしっかりまとめて読めることを考えると、
書籍版もアリだと思いました。

どんな本なの?

栃木県のある温泉旅館、
先代である両親に先立たれた若女将が途方にくれている。
限られたリピーターだけでは予約が増えないし、
Webサイトからの予約は一日一件しか入らない。
右肩下がりの危機的状況。


そんな旅館にある日、
スゲー人が来て、スーゲー改善策をじゃんじゃん施して、
スッゲー予約が入るように女将やその弟を教育していく
(主人公は教えるだけで実際やるのは女将たち)
(ちなみに主人公の腹筋はスッゲーバキバキに割れている)。
というストーリーを通してWebの勉強ができちゃう、
「スゲー」の在庫が無くなりそうな本です。


Webの内容をそのまま書籍にしたようなものなので、
顔のイラストの隣にセリフがあるような、
半マンガみたいな、本としては変な構成なんですが、
慣れれば読めます。


アドワーズなんかのWeb広告に関する話がほぼ出てこなかったり、
旅館の話な割に旅館検索/ポータルのようなサイトのことが
ほぼ出てこなかったり、という、
「これ一つで全て学べる!」
という本ではないんですが、ことライティングに関しては
わかりやすい内容なんじゃないかと思います。

こんな人におすすめしたい本でした。

・旅館の跡取りでWebサイトで集客しないといけない
・Webサイトで今よりも集客したい
SEOにつながる文章の作り方を知りたい
SEOにつながる文章の骨格を知りたい
SEOにつながる文章の魂を知りたい
・腹筋バキバキの主人公がパソコンをブッ壊すストーリーを読みたい
・荒唐無稽なストーリーを読んでシャドーつっこみの特訓をしたい