ビールは大麦から、
ワインはぶどうから、
蒸留酒は醸造酒から、
コーヒーはコーヒー豆から、
紅茶は茶の葉から、
コカコーラはコカとコーラから。
この6つが世界を変えた、というか、
この6つのどれかがなかったら、
世界がまったく違うものになってたよね。
という本。
それぞれが、時代毎に世界を象徴してるんだよ、と。
人がいまっぽくなったのは農耕をし始めて、
麦とか米とかを1万年前くらいに作り始めたところから。
「食べる分のあまり」
が生まれて、狩りもせず畑も耕さない人たち(神官、商人、書記、工芸家などなど)を
養うことができるようになった。
そして、大麦のうっすい粥をほったらかしてたら、
ビールができちゃった。
ぶどうをほったらかしてたら、
ワインができちゃった。
濃いの作ろうとしたら醸造酒ができた。
時に楽しい飲み物であり、
時に権力の象徴になり、
時にお金の代わりになり、
時に水を消毒し、
時に禁止されてるのに闇で売買される、
という役割を担ったビールにワインに醸造酒。
思想の深化とともに、
お酒の酩酊ではなく、
頭をはっきりさせるコーヒーが重宝されて、
今で言う喫茶店が文化の生まれる場所になった。とか。
イギリスで紅茶の大ブームというか
「紅茶なくして日々が成り立たない」ような状況が起きて、
紅茶が中国でしか採れない(と思われていて)
貿易が偏り過ぎてアヘン戦争に突入していった。とか。
アメリカでニセ薬品業者が作ったシロップが
いつの日か最強の清涼飲料水になったとか。
そんな歴史が書いてある本です。
どんな本なの?
6つの飲み物を通して、
時代背景とともに、
それぞれが関わったできごとに触れていく本です。
飲み物の歴史ではなくて、
人間の歴史なんだよね。
ウイスキーおいしいけど、
おいしすぎるから禁酒法できちゃったりとか、
おもしろいなー、と思う。
禁止したら密造が横行するとか。
あと、なんで船乗りはいつもラム酒飲んでんの?とか、
漂流者の小説で水にブランデー入れるのはなんで?
みたいなことがするするわかり始めて楽しい。
あ、でもイスラム圏でお酒が禁止なのはいまだに不思議。
むかしビール飲んでた土地じゃんか、って。
技術的なイノベーションも楽しいけど、
飲み物のイノベーションも楽しいよ。
あと、「飲み物を冷やせる」とか「強炭酸飲料がいつでも飲める」
みたいな時代に生まれてよかったなー、と思うよ。
ぬっるいビールよりはね、ちめたいの飲みたいっすよね。
んー、紅茶だけでなくシルクロードのあっちとこっちみたいな話で、
抹茶煎茶あたりの話ももうちょいあってもよかったかなー。