うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

「リンドバーグ―空から来た男(A・スコット バーグ著)」を読んで

濃い。人生が濃い。


「大西洋横断飛行をはじめてした人」あるいは「あのバンドの名前の元になった人物」
くらいの認識で読み始めるとビビります。


特濃人生。


フォレストガンプインディージョーンズを足して2.5をかけたくらい濃い。
超無理ゲー。

大西洋横断飛行は、実は人生の1ページ

全体で1,000ページを超える上下巻二冊組です。
最も大きなトピックになる大西洋横断飛行は
実は時間にして33時間33分。


231ページで離陸して、
257ページにはもう着陸してる。
一生の中で見れば、ちょろんとしたもんです。
でも、その前後で人生が全く変わる。


マスコミ黎明期、
ルール無き好奇の目にさらされ続けます。

どんな人なのよ、というと

・子供の頃からの夢想家
・イマイチな機械工学の学生
・曲芸飛行士
・軍隊のパイロット
・民間航空便のパイロット
・大西洋単独無着陸飛行のヒーロー
・マスコミ創成期の被害者
・幼児誘拐事件の被害者
・厳しい父親
・厳しすぎる夫
人工心臓の原型を開発した発明家
・有名だから思想的にも政治的にも誤解されすぎちゃった人
・世界中に家を買ったのにすみ続けることがあまりなかった人
ピュリッツァー賞受賞の小説家
・誰にも理解されなかった、後の「ロケットの父」ロバート・ゴダードに寄付し続けた人
・環境保護活動家
・いろいろな国のいろいろな偉い人から是非会いたいと言われた有名人
サン・テグジュペリと境遇が似ていて飛行士で作家
・体を悪くするまでは自分の操縦で世界を飛び回った飛行士
マウイ島で亡くなったアメリカ出身のおじいさん


上に書いたこれ、一人の一生の話です。
トピック多すぎ。
しかも、手紙やニュースや日記から集めた情報から作られた本の内容でこの状態なんだから、
実際にはより多くのエピソードがあるんじゃないかな。
日記や手紙からこの文章を書いちゃう作家さんもすごいよね。


子供が誘拐されるあたりは、小さい子どもがいる人は気持ち悪くなるくらい恐ろしいです。
自分が凡人なのが幸せと思えるほど。
また奥さんのアン・モローが健気で健気で泣けてくる。
素晴らしい人なんです。
あ、アン・モローさんの出した本もかなりイイです。
美男美女の夫婦。


なんとなーく手に取っただけなのに、
超おもしろかった。読んでよかった。