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うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

「さよなら妖精」と「火車」を読んでみた。

読書感想文 小説 日常の謎 ミステリ 澤村穂信 宮部みゆき

漫才と落語のどちらが好きか、と問われたら、
「まったく別物だから比べられないわ」と答える。
どっちもおもしろいのはおもしろいもの。


で、読書感想文。
火車は落語っぽくって、
さよなら妖精は最近の漫才、あるいはコントっぽかった。
うん。わかりにくい。


どっちもおもしろかったんだよ。
かなり久しぶりに小説を読んだから、
もう、スーっと五臓六腑のすみずみまで染み渡る感じ。

さよなら妖精の話

2004年に発刊された、
米澤穂信(よねざわほのぶ)」さんという人の小説。


日常の謎系ミステリ」という言葉を、この本を読んではじめて知った。
なんというか、まんがで言うところの日々淡々系みたいな、
濃い味ではない内容で進んでいく物語。
脂少なめ出汁が命のおいしい塩ラーメンみたいな。


主人公達の高校生時代がメインなのだけど、
冒頭と最後のシーンは主人公達が大学生になってからで、
メイン部分は回想されているような作りになっている。
弓道部、古い街歩き、お墓、日本酒、というなんだか和風趣味的なところがあって、
ほんとにこんな高校生いる?という感じがしてるのに、
すっと入り込んで読めた。

キャラクターとか、特徴

キャラクターの立たせっぷりが今時な感じでした。
なんというか、お互いがお互いを補い合うようなキャラクター。
みんな頭がよすぎるくらい頭がいいのも最近ぽい。


映画で言うとカット割りにこだわりまくってるアメリカ映画みたいな、
音楽で言うと2010年以降の小難しいのに踊れるロックみたいな。

どのへんが最近の漫才とかコントっぽいのか

地味なストーリーなんだけど、
小さいエピソードがいくつもいくつもテンポよく入ってるので、
2000年以降の漫才とかコントみたいな雰囲気。
「10秒に一回は小さい笑いを入れる」って決めて作ってるような話。


現実っぽい街をモチーフにしながら、
やりすぎではないけど、現実離れしたストーリー。
終わらせ方も日々淡々系かのようなさらっと感。
でも、さらっとしてるのに密度は濃いんです。


ところどころ描写がわざとらしすぎるのが玉にきずかな。
ライトノベルっぽさも少しあるような描写。
人によっては幼稚と感じそうなとこもある。
まあ、なんだかんだ楽しかった。
おすすめしてくれた方に感謝です。

火車の話

1992年発刊。宮部みゆきさんのベストセラーミステリー小説。


主人公は妻に先立たれていて小学生の子どもが一人いる壮年の男性で、
足を撃たれる怪我をして休職中の刑事。


そんなところに「婚約中の恋人が失踪した!」と、亡き妻の甥(銀行員)が訪ねてきて…。
という、「その設定必要?」みたいに感じることもある幕開け。
まあ、あとあと回収される伏線もあったりなかったりするわけだけども、
けっこう「その設定、必要!?」みたいなのがある。
それによってドキュメンタリーっぽい感じをだしてるのかね。


どのへんが落語っぽいのか

一つの謎がじわじわじわじわと解きほぐされていく感じが、
落ちに向かう落語みたいなんだ。
昔の文学みたいに、簡単に説明しようとすればできるのに、
しっかり順を追って話してくれる。


状況の描写や話し言葉は、リアル。
美しい描写とか、グロい描写じゃなくて、リアル。
そこが回り道な感じもして、序盤実はちょっと眠かった。
それと、ところどころ描写が雑なのがなー、惜しい。
なんかざらっとした舌触りの部分がちょいちょいあるんです。


終盤の勢いは
「もしかしてここのスピードを強調するために、前半ダラダラやったんじゃないの?」
ってくらい早く感じた。
偶然の発見が終わりに近づくにつれて多くなってない?みたいなね。


音楽で言うとなんだろね、
スピード感とか抑揚という点では松崎しげる愛のメモリーですよ。
サビのためにあるAメロ。


けっこうおもしろかった。
これもおすすめいただいた方に感謝です!

共通点

どちらも「携帯電話が日常的に使われていない日本の話」なんです。
ああ、携帯電話がないころってこんな感じだったっけ
というのが味わえてちょっと面白い。


携帯電話がないってロマンチックなことだったんだね。

最後に、おもしろい本を教えて!

今年はもう人からおすすめされた本しか読まない、と決めているのだけど、
どっちもおもしろかったからそれぞれ教えてくれた人に感謝です!


もし「あの本がおすすめ」って本があったら教えてください。
順番はすぐじゃないかもしれないけど、読みます。