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うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

月は無慈悲な夜の女王を読んで。読書感想文。SF最高。

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)
おもしろい!


料理評論家は「おいしい」って言葉を言わないようにするし、
エロ小説家は「ホニャララ」を直接書かずに表現するもんじゃないですか。
でもなによりおもしろい本なんだからおもしろいって言ってみた。
おもしろいです!好き!


これが1965年に書かれた本だなんて、とてつもねーぜ。
確かに大量のプログラムを印刷したり、電話を電話機のあるところでないと使えなかったり、
っていう縛りはその後の技術発展をイメージしてないけど、
人工知能と人間が助け合う話をこんなに上手く描けるなんて素晴らしい。
未来は僕らの手の中。

ざっくりとストーリーを解説

地球の犯罪者が月に送られはじめてからしばらく経った未来の話。
コンピュータ技師の主人公が月のすべてを管理する人口知能に意思があることを発見して、
その一人と一台が地球に搾取されることに怒る月のレジスタンスの中枢になり、
地球との争いがうんぬん。という物語。


なんか暗そうな設定だけど決してそんなことはなく、
むしろ明るい雰囲気の中で話は進んでいく。
なんというか、悲観的なところがあんまりないんだよね。


若干ネタバレ気味でごめんだけど、
月から地球に攻撃するシーンもある。
それがかなり過激で、
質量がでかいもので攻撃するんだけど、
刃牙だかスカーフェイスだかの
「質量は破壊力に比例するッ!」
みたいな説明文を思い出すよね。

なにがおもろいの?という話

で、どのへんがおもしろいかというと、
展開のうまさと、感情移入のさせ方のうまさ、登場人物のバランス、
必要以上に読者の視野を大きくしすぎないのもうまい。絶賛。
これ、SF要素がなかったとしても面白い小説なんですよ。


1965ってベトナム戦争やってる最中ですよ。
独立戦争やってる最中に独立戦争を書いて革命軍が独立を勝ち取るなんて、
怒られそうな話だよね。
ちなみに、ビートルズがIn my lifeとか歌ってた頃らしいよ。


技術的特異点・シンギュラリティ
って言葉を何かと聞く昨今だけども、
これもその歴史の1ページにあたる小説だよねー。
人工知能がジョークに目覚める話でもあるからね。

笑いの話

そうそう、この「人工知能が人を笑わせることに目覚める」というエピソードがまたよく出来ていて、
技師である主人公が人口知能に
「いいか、ジョークには全く面白くないものと、一回だけ面白いものと、何度聞いても面白いものがある。」
みたいなセリフを言うシーンがある。


これはホントいいセリフで、
うちのむすこがくだらないジョークを繰り返し始めたら
言い聞かせるようにしてる。
まあ、全然言うこと聞かないんだけども。


このくらい機械が進歩したらさ、
怖いけど、おれは楽しいと思うんだ。
人工知能の開発者さん達がんばって!

こんな人に読んでほしい本でした

・小難しくてかつ痛快なストーリーを読みたい人
・昔の人は人工知能ってどんなものだとイメージしたのかしら?を知りたい人
・月に住んでいて地球に降下するとどんな感じになるか知りたい人


好きです!SF!