うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

料理の四面体と、【対訳】五輪の書を読んで。

たまたま読んだ本が「4」と「5」だったんですよ。
そして両方とも「物事の本質」をテーマにしたような本だったので、楽しくなっちゃって一気に感想文。

料理の四面体

料理の四面体 (中公文庫)

料理の四面体 (中公文庫)

大抵の料理本は数十種類の料理のレシピを載せている。

多いものでも「365日の~」くらいのもので、頑張って1,000種類くらい。

それに対してこの本の内容をマスターすると、数万~数十万種類の料理を身に付けることになる。



なぜかというと、この本が料理の基本をかいたものだからです。

たとえば「ムニエル」って料理方法があります。

小麦粉をつけてフライパンにバターを溶かして焼く料理。

家庭科の時間に習った気がする。


このムニエルには、
魚の種類だけのムニエルがあるわけです。

鱈の鮃の鮭の鰈の鱸の…。

1,000種類の魚があれば1,000種類のムニエルが作れる。

さらに、調味料を合わせたソースをかけると、
そのバリエーションだけ種類が広がることになる。

調味料の種類を一つ変えれば1,000種類の料理が増えるし、
きのこや野菜をソースに加えたらその数だけ種類が増える。



例として魚の話にしたけど、
これを豚肉で作るとポークソテーになるし、他の肉でもおいしい。
その場合はバターじゃないほうがよさそうだけど。



もちろん魚に小麦粉を付けないでオーブンで焼いてもいいし、

ゆでてもいいし、卵とパン粉をつけてフライにしてもいいし、

生で食べられるものなら生でもいい。

どれだけの種類の掛け算があることでしょう。


この本はこんな内容が書いてある本です。


どんな本?

前半は「アルジェリア式羊肉シチュー」との出会いからその調理方法と再現記録から始まる。

その後は

◯◯という料理から△△を抜いても成り立つか?

◯◯という料理を日本の調味料でアレンジしたらどうなるか?

◯◯という全く加熱しない料理は、料理か?

というような禅問答みたいな料理のアレンジがひたすら続く。



刺し身はサラダか、

みたいな問いかけはとても楽しい。



そして、終盤になってやっと「四面体」の話が出てくる。

「料理の本質は火・水・空気・油という4要素で、
 それぞれの適応量により全ての料理は区分できるし、

 それぞれの適応量を変えることで新しい料理を開発できる」

とおっしゃる。



これはもちろん「加熱」という点の四面体なんだけど、

本当に本当に真理だと思う。
超理屈っぽいけど。

理屈っぽいのがだいじょうぶな人にはすばらしい本だと思う。

理屈がきらいな人には受け付けないと思う

(それでも四面体の手前くらいまでは楽しめると思う)



とかなんとか、理屈っぽいことがたくさん書いてあるんだけど、

言いたいことは
「料理をどんどんして上手になろうね」

ということなんだと思う。


【対訳】五輪の書

対訳・五輪書

対訳・五輪書

宮本武蔵は60戦無敗の剣豪で、
晩年には詩画彫刻まで手がけた人ですね。
バガボンドの武蔵。


師匠らしい師匠もいなかったのに、
超強かった武蔵が、
なんで強かったか、をまとめた本です。


オリジナルは地水火風空の5巻からなる書物で、

地:ベーシック
水:俺流の話
火:実践編
風:競合調査の話
空:
みたいな感じでまとめてます


で、結局いろいろ書いてあるけど、
何度も何度も繰り返し書いているのは
「研究が必要である」「よく考えることである」ということ。
全てが書いてある本じゃなくて、全ての入り口になる本として書いたんだね。


普段と同じ足使い
普段とおなじ力の入れ具合い
長くも短くもない刀
急ぎすぎない動きと刀の振り


千日で鍛
万日で錬
You should practice thoroughly
徹底的に訓練せよ。