あと12分で地球が終わるとしたら何する?
何をするだろう。ビール飲むかな。
死者数ランキングで言うとかなり上位に入るような小説なんだけど、
ブラックなユーモアはあってもグロい描写はほぼ皆無。
当時イギリスに住んでたらより笑えるのであろう
「労働者の皮肉」みたいなものもちらほら。
どんな本?
うんとねー、
お家がブルドーザーで壊されそうになってー、
そのあとねー、地球がなくなってねー、
でねー、宇宙船から追い出されてまた拾われて変な動物になってまた戻ってー、
地球を作る工場に行ってねー、
ネズミとイルカがすごい頭いいの。
はい。
荒唐無稽支離滅裂なストーリー。
5歳か!とつっこみたくなりますね。
皮肉に笑わせながら驚かせることを目的に書いたような小説。
スラップスティックSFです。
伏線なんて回収しないし、
ミサイルなんて植木鉢とマッコウクジラになっちゃう。
死にかけて「ああ、運が良かった」みたいなことが連発。
しかもその一命を取り留める前の章の最後で
「大丈夫、主人公たちはこのあと打撲1名くらいで死なないから」
みたいな解説も入る。
なかなかないですセルフネタバレ小説。
主要登場人物もかなりキャラ立ってます。
明らかにうつ病の超知性人工知能ロボットとかも出てくる。
ちなみに、
主人公は地味。
1978年にイギリスで放送されたラジオドラマを、
その脚本家が小説にした、という一冊。
イギリス人的悪ノリ、ここに極まる。という作品です。
古典SFベスト10には入らないけど、ベスト100なら入るくらいの名作です。