うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

「ゼロからトースターを作ってみた結果」を読んで。読書感想文。

ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)
・妻に話をした
・上司に話をした
・著者アカウント探してtwitterでフォローした
くらい面白い本なんですよ。


「まず既製品を買って分解して、材料別に分けて、材料を作って、組み上げる。」という工程が素晴らしい。
リバースエンジニアリング。大好き。
しかも文体が軽いし、太字で書いたルールを自分で破ったりするのが楽しい。
いい本だわ。


思えば料理も音楽もIT的なシステムも、食べたり聴いたり使ったりして、
その要素を学んで、できる範囲で自分の作るものにフィードバックするよね。
でも、実際の工程はすごーく長い。
ベースになるものや素材から作ろうとするとね。


「巨人の肩の上に立つ」のがあたりまえの昨今ですが、
「巨人もゼロから作っちゃう」というのを、アートとして実行して、
軽めのノリでまとめた本。
おもしろそうでしょ?

どんな本なのかといいますと

イギリスの芸術大学の学生さんが卒業制作を作る時に
「トースターをゼロから作ったら、その過程ってアート!」
みたいなことを考えて、
実行した記録。


・安いトースターを買って分解して部品並べる
・最小限の原料を考える
・近所の大学の教授にアポ取って相談しに行く
・原料を集めて使える素材にする
・組み立てる
・トーストを作ろうとする
という過程を書いた本。


そうそう。
近所の大学教授が
「鉄鉱石から鉄を作ろうと思うんです」
って言われて、
「素晴らしい!」とか言ってくれたり、
なんというか全体的に前のめりで素晴らしい。


終わりには
「今世の中に流通している全てのものが、
実はこうやって作られている。」
というようなことが書かれていて、
その時から物の見方が変わる本。


君の持ってるスマホ
いくつの部品で作られてる?
それ、ほとんど地面に埋まってた石やなんかからできてるって信じられる?



「おどってみた」「歌ってみた」「作ってみた」
みたいなコンテンツってたくさんあるけど、
「ゼロからトースター作ってみた」という壮大なネタです。

こんな人におすすめしたい本でした

・新たな視点が欲しい人
・身近なモノに対して「どうやってできてるんだろう?」と思ったことがある人
・身近なモノに対して「なんか高いなー」とか思ったことがある人
・100均の商品に「えっ?これなんでこんなに安いの?」とか思ったことがある人
・ゼロからトースターを作ってみようと思う人
・ご家庭で鉄鉱石から鉄を作る方法を知りたい人


ちなみにこのトーマス・トウェイツさん、
2015年には「人間社会はストレスが多すぎるからヤギになりたい」
という理由で、「ゴートマン」というプロジェクトを実行したらしい。
ヤギっぽくなる義肢を付けて3日間ヤギの群れの中で暮らしたらしい。
「私はヤギになりたい」ヤギとして生きることを試みた男 3日間ヤギと生活する | エニグム(ENIGME)