前に読書感想文を書いた「心のチキンスープ」っていう、
アメリカのいろんなほっこりするイイ話を集めた本があるけども、
あれを和風だし味にしたような、
ほっこりするお話多数。
体が昆布だしをもとめる時があるんですよ。
そんな時は大きな鍋にぬるま湯を張ってだし用の昆布を入れて、
一晩なり一日なりそのままにしておきます。
翌日昆布を取り出してなにかの料理に使います。
今の季節なら鶏肉や根菜が入った鍋にしてもいいし、
豚肉と大根とごぼうを使ったカレーもいい。
魔改造的にYOUKIの顆粒チキンスープを入れて中華スープにしてもよい。
貝のみそ汁を作るベースにしてもおいしい。
どれも腹の底からあたたまるような味。
グルタミン酸、イノシン酸、コハク酸。
うまみ成分が全身にしみわたるような味。
かなり話がそれましたが、
この本は昆布だしが全身にしみわたるみたいな本です。
っていう話がしたかったんです。
どんな本なの?
独身都会暮らしで出版社で派遣事務の仕事をしている主人公が、
最初は怖いと思っている部長との距離がだんだん縮まっていく。
そのきっかけになったのは「ランチ」。
主人公の作るお弁当と、一週間ローテーションの部長のランチが交換され、
見えなかった世界が広がっていく。
数km以内に、
自分が知らない世界があって、
自分とは違う価値観の人がいて、
ものの見え方が変わると世界が変わる。
ものの見え方が変わるのは、
いつもの自分のデスクではなく、
わざわざ行かないといけない場所。
ちょっと遠くても、ちょっと怖くても、
行ってみないとわからないことがある。
飲食店の開店にまきこまれる話や、
ビルの屋上にビアガーデンを作る話や、
昔の恩師とともに、高校生を追いかける話などなど。
一話一話が短いのでサクサクサクサクっと読める。
魅力的な主人公ではない。
身近な身近な主人公。
その主人公が変わっていく様を見られるから、
自分も変われる、と思える本。
こんな人に読んでほしいような本だったです
・仕事かったるい
・仕事つかれた
・なんかだいたい一通りわかってきてマンネリっている
・今日も明日も昨日と同じことの繰り返しだ夢も希望もない
・職場に好きな人がいる
・職場に嫌いな人がいる
・毎日の食事が楽しみだ
・毎日の食事が楽しみではない
・たまにはいつもと違う道を歩きたい