うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

データの見えざる手-ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則を読んで。

データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

バイリンガルニュース」というpodcastをよく聞くのだけど、
その中である日
「収入や学歴よりも自己決定度合いが幸福につながる」
という某大学の研究についての話が出て、
はー、そりゃおもろいなー、と思ってその話を共有したんですよ。


すると、「この本にもそんな感じのことが書いてあるよ―」と教えてもらったのがこの本。
2014年の本だからちょっと前だけど、
いろんなおもしろい話にあふれております。


書いた人はどうやらウェアラブルセンサ業界の偉い人。
どう偉いかというと、今のものよりもちょっと機能的には劣るセンサーを使って、
ひたっすら集めてひたっすら集計して
そこから見えてきたことをまとめた人。


書いてあったことをいくつかまとめると
・左手につけた加速度センサでXYZ軸の動きを50分の1秒ごとに記録した
・心や感情の動きは加速度センサで測れる
・会話とは言葉のキャッチボールではなく、言葉以外に「動き」もキャッチボールしている
・会話中の「活発度(体の動き)」が早くなると意見交換の質が高くなり、問題の解決率も上がる
・運も実力の内ではなく、運こそが実力そのものである。その違いは人によっては知覚できないわずかな何かの差
・チームの強さは上司と部下の結びつきだけでなく、部下同士の結びつきの強さによっても決まる
・「行動の結果」よりも「行動を積極的に起こしたか」が幸福につながる
などなど。


統計学だか哲学だかわからなくなりそうなことがいろいろ書かれていて、
とてもおもしろい。
でも「○○である!」って言い切っている時に、
かなり濃厚な根拠が書いてある時もあれば、
「に決まってる!」みたいな、ドーン!的なやつもあるのがかわいい。

こんな本でした。

「実データ」の統計から導かれた「えっ!そうなの!?」みたいなことが書いてある本です。
加速度センサー(「動き」の検出装置ね)と音声センサーで
いい事務所と悪い事務所の見える化してみたり。
楽しい。


・幸せを感じるかどうかは遺伝である程度決まる
・行動の結果よりも、行動を自分でおこしたかどうかで幸せが決まる
・積極的に問題解決する人は、会話時によく動く
・人の行動には目に見えない「心」が現れる
・腕が活発に動いてる人のほうが結果が出る
・リーダーの指導力と現場の自律は矛盾しない
・運をつかむには会話の質も重要
・「君子は微かを知るがゆえに顕らかを知る
  (リーダーは目に見えにくいものを知覚し、表に見えるものの意味を知る)」
みたいなことが書いてあります

こんな人に読んでほしい本でした

・「データの積み重ねで意外な真実が見える」みたいな話が好きな人
・イキイキと仕事がしたい人
・仕事はお金のためだけじゃないと思う派の人
・ニンゲンの修正を知って、利用したいと考える人
・幸せって何だっけ?という人