一気に読んじゃう系の本。
空想科学ミステリーって感じ。
ネタバレになるので細かいことは書かんけども。
登場人物の魅力というよりも、
心情とか、「誰が何に執着するか」とか「業」みたいなものが
流れ続ける低音のようにテーマになってるんだよね。
これはこの著者さんの特徴なんだろうか。
「業」を検索するとこんな説明が出てくる
広くは、人として生まれついて、不合理であるとわかっても行ってしまう行為を指します。
自業自得(じごうじとく)、罪業(ざいごう)、など仏教の外でも使われます。
また、腹が立つこと、怒りの心を意味することもあります。
業腹(ごうはら)、業(ごう)を煮やすなどです。
出展:業の意味とは?業とは何か、解説いたします|終活ねっとのお坊さん
誰だってそうだけど、利益で動くだけじゃなく、
不合理なのにやめられないことってあるもんね。
トリックとか科学云々とかみたいなものはただの味付けで、
人の業が描かれてる。
どんな本でした?
お金、知識、復讐心、好奇心、研究対象に対する執着。
いろいろなものに操られた人々が織りなす物語。
執着の対象を叶えた時って、
最後に残るのは虚しさなんじゃないだろうか。
でも、そんなにドギツイ表現もなく、
なんというかクリーンな物語だと思う。
表現が軽くてスルスルと滑るように読める。