ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法
- 作者: エド・キャットムル著,エイミー・ワラス著,石原薫訳
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/10/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Windows95の頃。おれまだ高校生。
世界初の長編3DCGアニメ映画にしてあのクオリティだったんだね。
たぶん今まで読んだこういう「企業文化」みたいな本の中で一番好き。
さておき、創造的なチームってどういうもの?
歴史に残るような映画を作れるのはなんで?
っていうことの勉強になる本です。
文字が読める社会人はみんな読んだほうがいいんじゃないかしら。
こんな本でした。
「プロジェクトX」っていうテレビ番組があったでしょ。
あの「その時、プロジェクトは困難に直面していた」とか言うやつ。
この本の中では、ほとんどずっと困難に直面してるんですよ。
それもはっきり目に見える困難ではなくて、
ピクサーが直面した困難ってのは、
普通の会社だと見過ごされてしまうようなこと。
でもその見過ごされるようなことで、
映画の持つ影響力がまったく変わってしまう。
例えば
「お互い言うべきことを言えてない」とか
「えらい人がなんか言ったらそれにあわせちゃう」とか
「実物を見ないで絵を作ろうとしても作れない」とか、
そんな問題があったんですよ。
それに対して
「人じゃなくてアウトプットに対して発言する/させる、ということをわからせる」
「話したい人と好きなことを話せるようにする」
「リアリティを出すために実物を見させる」
みたいな解決をしていくんです。
わかりにくいんで、レストランに例えます。
料理人って自分の料理にダメだしされると、
自分の経験や腕を批判されてる=自分が攻撃されてる、って思うんです。
でも、そうじゃなくて、料理の批評をしてるだけだよ!
っていう前向きな前提に乗っかってをみんなが話をする。
もちろん、料理人達は本当においしいものを食べたことがあって、
そのエッセンスが凝縮された一皿をイメージすることができる。
そんなレストランあったら行ってみたいおなかすいた!
ダメな結果が出てから改善するんじゃなくて、
ダメな方向に向かい始めたくらいでもう改善し始めてることですよ。
映画を作ったけど売れない!なんで?じゃなくて
映画を作るチームがうまく回ってない!なんで?というところからスタートしている。
とにかく、アウトプットのレベルを上げることに集中している。
そうしないといいモノが作れないということが経験からわかっている。
いわゆる「大企業病」に陥らないヒントがたくさんあると思うんだよね。
以前なにかの雑誌で「ブレイントラスト」っていうピクサー内の
会議、というか、「映画を改善するしくみ」を見て、
すごいイイなー。と思って気になってたので、
読んでよかった。
こんな人に読んで欲しい本でした
・社会人
・なにかしらの目標がある組織に所属する人
・アップル以外でのスティーブ・ジョブズのエピソードを読みたい人
・自分の居場所の風通しが悪い、という人
あ、あと、
ジョブスがピクサーを通して成長していく様も書いてあるんですよ。
ディズニーに買収されるところとか、
かなり胸が熱くなります。
おすすめ。ぜひ。