機械との競争
という本を書いた2人が、その2年後に書いた本。
前回が
「機械との競争」なら、この本は
「機械との共存」と言っていい本。
- 作者: エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson),アンドリュー・マカフィー(Andrew McAfee),村井章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2015/07/29
- メディア: 単行本
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どんな本?
「序文に代えて」が
人間は馬と同じ運命をたどるのか?
っていう文章から始まります。
蒸気機関ができる前は、馬が馬車をひいていたのに、
蒸気機関や内燃機関が世界中の馬の数をぐんと減らした。
「人間、いらなくなっちゃいまーす
仕事なくなっておまんま食い上げになりますよー」
って言われたら、どうする?
ホーキング博士やイーロン・マスクも同じようなことを
言ってますよね。ヤバイよヤバイよって。
そっちは仕事だけの話じゃなくて、
人類の種としての存続が、みたいなとこまで含めた話だけども。
ちなみにこの本のテーマが「セカンドマシンエイジ」なら「ファーストマシンエイジ」はなんだったの?
というと、18世紀の産業革命で「動力」を機械から得るようになった時代。
そして「セカンド」はコンピューター→人工知能の発展による
「制御」の革命だよ。
あるいは、機械が今ある人間の仕事をできるようになるよ。
んで、機械が仕事するとそのうち、
人間よりコストが安くなるのは目に見えてるし、
そうすると、その変化によって仕事を無くす人がでるよね。
「制御する機械を制御する人」というか、
イケてる経営者さんなんかはコストが減って収入が増えることになるし、
「機械と競合する人」はだんだん仕事がなくなる。
このままだと今よりもさらに富が集中して格差が広がるぞ。こわいでしょ?って。
みたいなことが書いてある本です。
さて、とはいえ希望も書いてくれてます。
「共存」
ですよ。
どのへんが「共存」なのかというと、
例えば「コンピューターがチェスのチャンピオンを破った」というニュースがあったけど、
その後「コンピューターと人間がタッグを組んで別のチームと戦う」というイベントがあるんです。
んで、ある時そこで優勝したのが、チェスのグランドマスターと最強のスーパーコンピューターの最強ペアでは無くて、
アマチュアのチェス愛好家と3台のパソコンなんだって。
これはとても面白いエピソードで、
人間とコンピューターのいいとこ取りが一番上手いチームが勝ったんだよね。
先を読むのはコンピューターのほうが優れてるけど
「どんな傾向で先読みすべきか」みたいなひらめきを
人間が提供した、と。
悟空とベジータコンビじゃなくて、
ヤムチャ様とプーアルが優勝しちゃった!みたいな話。
ちょっとちがうな。
じゃあキャノンボール2でのリチャード・キールとジャッキー・チェンチームが優勝!みたいな。
これはかなり違うな。
クリリンと人造人間18号ペアが悟空×ベジータコンビに勝つ!みたいな話!
と思ったらそれは人工知能ではなくて人造人間だそうで…。
これはちょっと人間さんチームにも生き残りの道が見えて来たかしら?
これからいろいろあると思うけど、50年くらいは死なずにこのへんの進歩を見たいわ。
こんな人におすすめしたい本でした。
・これからの世の中を予想、想像、妄想するのが楽しい
・世界経済の2極化はもはや止められない話だと思う
・ピケティを別な視点から反芻したい
・人工知能やテクノロジーの進歩に興味がある
・最先端テクノロジーについて少しでも詳しくなって一円でも多く儲けたい
・SFが好き
・「好きな人工知能」を考えたことがある
・アンドロイドは電気羊の夢を見るかもしれないと思う
・電源が取れて炊飯できるロボットがいたらステキだと思う
・理由あってそこそこ厚い本を探している
ああ、良い読書だった。