うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

機関車・電車の歴史を読んで。読書感想文。

機関車・電車の歴史 (福音館の単行本)
あ、先に言っとくけど、鉄ちゃんなわけじゃないんです。


私の父は18歳で工業高校を卒業してすぐに街の車検屋さんで働き始めて、
55くらいで一度会社がなくなるも同業種の別会社に転職して働いて、
気づけば今年で65歳。


過去の趣味を覚えてる範囲で思い出すと
車、カート、バイク、自転車、ラジコン、自作パソコン、ネトゲUOとか)
という、だいぶ速さと強さ大好き、みたいな人です。
一時期はタイヤとハンドルと内燃機関が好きなのかと思ってたけど、
速さと強さの人だったのだきっと。


人としてどうかと思う部分もありつつ、
「好きを仕事にする」みたいな点については、
かなり時代を先取ってたんじゃないかしら。
仕事、楽しそうだったし。


さておき、そんな父の孫こと、
うちの長男7歳と次男3歳と私が図書館に行ったんですよ。
そしたら次男がこの「機関車・電車の歴史」という、
デカくて重い本を「これ借りてー」と、持ってきたんです。


んー、ちょっと重くない?
と思ったのもつかの間、
ちょっとページをめくったら、なんですかこれは素晴らしい。
借りるっていうか買ってもいいレベル。


なにより素晴らしいのが
「機関車・電車の歴史」といいつつ、
産業革命』をがっつりめにおさえてることです
(その前にちょっと動輪の数の話とかトロッコの話とか出てくるけど)。


産業革命、すなわち蒸気機関の誕生。
ちょっと引用すると、

1712年にイギリスのトーマス・ニューコメンは熱湯がふきあげる蒸気の力をピストン(往復)運動に変えて、地下水をくみだす蒸気機関をつくって、各地の炭鉱にすえつけた。
1769年にはジェームス・ワットが、もっと効率のよい蒸気機関を発明し特許をとり、1783年にはこのピストン運動を、くるくるまわる回転運動に帰ることに成功し、動力として産業用、鉄道用につかわれた。
そして、この頃イギリスではじまった産業革命の力となった。

イギリスで家内工業だった紡績業が、1760年台に紡績機械の発明で工場生産へと変わった。
これがきっかけではじまった産業技術の革命的な発展は、人々の社会生活を根本的に変えた。
この産業革命は世界中へとひろまっていった。

こんな感じ。


歴史の授業で聞いても、はあ?なんすか?
と思っていた産業革命がありありと感じられるじゃないですか。
馬や人が押したり引いたりしていたのをさ、
蒸気で走らせるって、正気の沙汰じゃないじゃないですか。
ばくはつするかもしれないじゃん。

どんな本ですか?

ぐちゃぐちゃと書きましたが、
まとめると
・機関車と電車の歴史を
・イラストと簡潔な文章で
辿った本です。


この本のいいところは、イラストがきれいなところ。
年々進化していく蒸気機関車にむっちゃくちゃリアリティがあるんですよ。
どっかの万博会場を人を乗せて走ったミニSLみたいなやつとか、
当時の人の服装までちゃんと描いてある。
非常に説得力があります。


あと、機関の進歩をしっかり描いているところが高感度高し。
初期の機関車とその後の機関車では、
高出力を得るために水が通るパイプの本数なんかにも
こだわりまくっていたらしい。
ちょっとでも速く熱くするためだよね。


んで、徐々に蒸気機関車の限界と電車の時代への移行が出てくるんだけど、
すごいのは蒸気機関車で時速180kmとか出してたらしい。
でも、エネルギー効率的によろしくないし環境にも悪そうだから、
その後電車に移行していったそうな。


電車の歴史も新幹線とか好きな人は
楽しいんじゃないんでしょうか。
高効率化。
efficient and effective 効率的で効果的。

こんな人に読んで欲しい本でした

蒸気機関が好き
蒸気機関車が好き
電気機関車が好き
ディーゼル機関車が好き
スチームパンクに憧れる
・デカイ箱に人がいっぱい乗っててしかもそれが動くと「おおっ」って思う
・なんで熱が回転に変わるのか興味がある
チャギントン機関車トーマスが好き
チャギントン機関車トーマスが好きなこどもがいる
チャギントン機関車トーマスが好きな孫がいる
・250年前にも生きていたので、懐かしみたい


最近「エンジニア」って聞くと
ITエンジニアのことかと思っちゃいますが、
煙と火ィ吐いてる方のエンジニアさん達に対する憧れみたいなものもあります。
タンカーのボイラーメンテしてる人とかいるんだろうな。すげえ。


なんというか、博物館に行ったみたいな気持ちになる本。
うちの次男3歳のお墨付きです。ぜひ。