うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

「禅とオートバイ修理技術」を読んで。読書感想文。

禅とオートバイ修理技術―価値の探求 (シリーズ精神とランドスケープ)

先日読んだ「世界はシステムで動く」が、超良かったので、そこで引用されてた本を読んでみた。


するとどうでしょう。
これが様々な意味でヘビーな一冊だった。


禅とオートバイ修理技術という本だから、
禅とオートバイ修理技術の話かと思ったら、
「オートバイで旅する父子、父は手術で記憶を失った元哲学者にして今は技術マニュアルライターでオートバイライダーでオートバイ修理はできる範囲で自分でしたい派。過去の記憶を思い出したり、記憶を失う前の自分の知り合いを訪ねたり。でも本の半分はずーっと哲学的思想を語り続ける『シャトーカ』のパート」という本。


なにがヘビーって、ちょっと読み飛ばすとさっぱりわからなくなったり、
ちょっとも読み飛ばしてないのに突然わからなくなったりする。
え?今なんの話?って。


そして、ちょっと読み飛ばそうとするとそこにガツッとくる真理に見えることが書いてあったりする。
「クオリティ」は属性ではなくて根源なのだ!
みたいなことが。

クオリティってさ、そのものが持っている何かではなくて、
観察するものがいて初めて現れるものだから、
実際はないんじゃないの?みたいなことを考えるのよ。バイク乗りながら。
んで、いやいや、クオリティが主でそのものはそれにくっついてるものに過ぎんぞ。と発見したりするの。


んで、バイクの旅は最初息子と友達2人の4人で進むんだけど、
途中からは父子二人旅になって、だーんだん暗くなっていく。
寒さ暑さに雨、疲れてもう帰りたい、温かいところで眠りたい、
人間らしい面がどんどん出てくる。


漂流ものとかだとトイレの描写がある無しでだいーぶ差が出るよな-、
と思ってるんだけど、
こっちはトイレ的描写も時々でてきます。
バイク旅の途中でおなかの調子悪くなるとか、可愛そうすぎるぞ。


バイク修理については、
「できる範囲のことは自分で修理するスタンス」というのが、
機械やITに関わる人には共感できるところだと思う。
適切にメンテナンスすること、機械の状態を見ながら進めること。


あとは大学内での変な教授と変な生徒のバトルみたいなパートもある。
哲学、奥深い。
「誰の真理を真理とするか」みたいなことを使って
とにかく相手を凹ませようとする人々。不毛だね。


これはね、一回読んで終われない本だよ。