うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

「DMM.comを支えるデータ駆動戦略」を読んで。読書感想文。

DMM.comを支えるデータ駆動戦略

夏は読書の季節よねー。
ということで、自分の中でドリブン本ブームが来ております。
とか言いつつ2冊しか読んでないけど。


ええと、DMM.comでございます。
そりゃもういろんな事業をやってる会社の裏側のお話。
というか、いろんな事業の裏側の思想や、いろんな事業の裏側のシステムを作るエンジニアリング手法やチームの話。


表紙にもう「40以上の事業をグロースさせたノウハウとは」とか書いてあって、
あおるねー、と思うよね。


んで、この本のとてもよいところが、親切なこと。
まず最初に本の構成が書いてあって、
「とりあえず、全体的なトピックだけ抑えたい方向け」
「事業に責任を持ち、データを活用しながらグロースさせたいプロダクトマネージャー向け」
「変化に対応した開発組織をつくりたいエンジニアリングマネージャー向け」
「データに基づく意思決定を組織文化に根付かせたい向け」
と、読む人によってこの章とこの章がおすすめよ、的なことが書いてあること。


一通り流し読みしてもよし、
必要そうな章をじっくり読んで実践するもよし。
という構成。
たしかにそれぞれの章での書き分けがしっかりしてて、
なんというか構造的にものすごくよくできた本。
無駄な繰り返しがなくて、重要なことが重要としっかり書いてある。


「世界はシステムで動く」や「禅とオートバイ修理技術」という、
なんだか迷路に紛れ込んだように感じる本があるのだけど、
あれはあれで好きだけどこっちはもうほんとその対極かというようにわかりやすい。
難しすぎる計算式も出てこない。
各章終わりのまとめや参考書籍/webも適切。


あ、んで、
実際の内容としてはとても科学的なアプローチが続く印象。
「事業を数値モデルとして理解する」とか
「事業構造をKPIで表現し、予測可能性を作る」とか。
わかっとるわ!と思いつつ、いろいろな理由でできないことが多いけど、


そうだよなー、それやるべきだよなー。と思ったり、
事業をもしも立ち上げるなら最初からこの辺意識したいよなー、と思ったりするよね。


と、なんだかサイエンスみたいな本?というと、それ以外の部分もカバーしていて、
というか、まずそっちから始まる部分も多い。
例えばPart1の最初に出てくる言葉


事業やプロダクトをつくるために一番退治なものは「情熱」です。
~中略~
Part1で述べることは、その情熱を科学で支えることです。

 

 

ほら。

イイ。

 


あと、チーム作りの話も良くて、
チーム作りの最初は結果よりも関係の質を良くしないとねー、という話が書いてある。
当たり前の話な気もするけど、なんか「あなたたちはチームです!目標はこれです!」
じゃなくて、いいチームを作るのをちゃんと重要視してる。
っていうか、それがなければ成功はないです!と言ってくれてるのが良い。


どんな本ですか?


・事業を科学的アプローチで捉え、定義する
・強固な組織体制がデータ駆動な戦略基盤を支える
・データを駆動させ、組織文化を作っていく
という3パート構成でそれぞれの中にいくつかのChapterがある構成。


データ駆動の全体構造、
どうやって数値モデルにするか、どうやって自動化するか
仮説検証を高速で回す話
「組織が学習することが必要」という話
知識の一部分をアップデートしていく話
データの集約とみんなが使えるようにする話
実際にやるとしたらこんな感じ、みたいな話
が書いてあります。


どんな人に読んでほしい本でした?


・今まさに事業づくりに携わってる人
・これから事業づくりに携わる人
・事業づくり?知らんわ!でも「科学的アプローチ」って気になるーという人
・マーク・ジェフリーの「データ・ドリブン・マーケティング」読んだけど、なんだか理解が追い付かん、という人
・「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」を読んで、このアプローチてダイエット以外にも使えるんちゃう?と思った人