うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

司馬遼太郎の項羽と劉邦を読んで。読書感想文。

私、この6月に転職したんです。
で、なんと転職先の会社にはいろいろなジャンルの本が並んだ本棚があって、
しかも社内掲示板的なサイトにおすすめの図書紹介のコーナーがあるんです。


図書館大好き人間の私としてはもう、
小躍りするほど嬉しい。


項羽と劉邦
MC項羽とDJ劉邦
武神項羽とおっさん劉邦
まんが「キングダム」の後にできあがったはずのキングダムこと秦のその後から話は始まる。
悪政を正そうとする若者とおじさんが主役のストーリー。


紀元前200年くらいとか。
日本はまだ弥生式土器にドキドキしてるくらいの頃、
もう何万人規模の戦争してる。


項羽、超強い。
引くほど強い。
自分が戦えば必ず勝つ。
でも部下のウケはあんまりよくない。


劉邦、強くない。
負け続ける。
でも人はどんどんついてくるし、恩賞もガンガン与える。
部下をあんまり腹ペコにしない。


自分が前に出るMC項羽
自分は前に出ないどころか負け続けて逃げて逃げて逃げるDJ劉邦
スタッフを大事にしない項羽
スタッフどころか怪しいお客さんやその辺の人まで大事にしちゃうDJ劉邦


で、その後皇帝になるのが劉邦なのよね。


とかいう歴史上の出来事をもとに司馬遼太郎先生が雑誌かなんかの連載で書いた小説なんだけど、
まー
おもろい。
あ、もちろん脇道にそれまくりますけども。


タイトルからして「項羽と劉邦」じゃないすか。
いい感じの対比、特徴のある脇役たち。
脇役たちとか、主役の昔話とか
「いやそっちの話じゃなくてメインの話はどうなったの!?」的な回想シーンも多数。 


どっからどこまで史料をもとに書いててどっからどこまで妄想か気になるー!
あなうめはほんとに穴に埋めてますのん?


あと、三体を完結まで読んでからこれに手を出しちゃったので、
紀元前から歴史がなくなるくらいの未来まで中国人っていうか人類こんな感じかーすげーなー、
と勝手に思ってしまっている


**どんな本ですのん
時は紀元前200年くらい
場所は今の中国らへん。
秦の始皇帝がヤバい悪政をしいていて、
あいつむかつくからぶっ飛ばそうぜーという勢力がたくさんあるあたりから物語はスタート。


自分の力でのしあがろうとする項羽と、
本人はポンコツだけど周りの力を借りるのがとてもうまい劉邦
そんな「項羽と劉邦」というふたりの男の対比を全力で描ききった歴史超大作ー。


この頃から戦争は補給線が命なんだなー、とか、
戦いだけ強くても戦争には勝てないんだなー、とか、
凡事徹底ってだいじよねー。
みたいなことを思うので、単純なストーリーだけでなくて読むとためになる一冊。


**こんな人に読んで欲しい一冊でした
・なんか部下がついてこないなー、という管理職さんや役員さん
マズローの五段階欲求の実例が知りたい人
・三体読んで中国に興味が湧いた人
歴史小説読みたい人
・英雄譚読みたい人