いい読書でした。
著者の野中郁次郎さんは
就職→結婚→UCバークレーに留学してMBA取得(この頃奥さんが働いて支える)→いろんな企業の経営など→日本軍研究・米軍研究→本書く→本書く
みたいなすごい人。
郁次郎ね、Wikipedia見たら戦争中に疎開先で戦闘機の機銃掃射受けて死にかけたんですって。
そこから生きに生きてアメリカ最強の海兵隊の秘密を日本にバラしまくって復讐を果たしたのかもしんないな、と思います。
んで、この人の面白いところが、システム開発の「scrum」の概念とか論文に書いて世界中に広めた人だったり、
いろんな企業の経営に関わったり、日本の経済に大きく貢献したりしてる人のはずなのに、
この本では本当に米軍海兵隊の話しかしなかったこと。
ふと「これって企業にも言えることだけどー」みたいな司馬遼太郎的な脇道なく、
ひたすら海兵隊の話。
ちょっとそれても海兵隊に負けた旧日本軍の話とかくらい。
ブレなさがハンパない。
Wikipedia見るまでガチのミリオタかと思ってた。
かっけーっす。郁次郎さんかっこいいです。
**どんな本でした?
「米軍海兵隊はなぜいつも強いのか」
という点のみにフォーカスしたような本。
精神性、訓練特のブートキャンプの重要性、仲間とのコミュニケーションとチームビルディング、組織をリニューアルし続けること、新たなツールに合わせて進化すること。
太平洋戦争からベトナム経由で中東まで。
海からの上陸作戦から垂直降下作戦まで。
消耗戦と機動戦の違いなどなど。
そうそう、機動戦と消耗戦の対比は、ちょっと前に読んだ項羽と劉邦にも通じるような話で面白かった。
消耗戦はまじめな彼我の引き算。
機動戦は主要なポイントを叩いて相手を戦えなくするための戦い。
旧ドイツの電撃戦とかも機動戦よね。
補給線が途絶えたらどんな軍隊も戦えないし、
王様の一族が途絶えたら盛り上げようにも盛り上がらない。
**どんな人におすすめしたい本でしたか?
・海兵隊が好き
・組織運営に悩みがある
・組織を変えていく必要性を感じる
・どんなコミュニケーションをすると「背中を任せられる」ようになるのか知りたい
・宇宙飛行士になりたい