うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

野尻抱介さんの「南極点のピアピア動画」を読んで。読書感想文。

南極点のピアピア動画

読み終えて人に勧めまくった。良書も良書。
良い読書でした。
2021年読書ランキングの上位に入っている
(記事を書いたのは2022年なんですが、読んだのは2021です)
ニコニコ動画
・ピアツーピア通信
・3Dプリンター
・AI
・自動複製
・ボカロ
コンビニエンスストア
・宇宙開発ベンチャー
・ものづくりベンチャー
・ラブコメ
あたりの要素をドロドロに煮込んで煮詰めてストーリーの軸を通して固めてから大爆発させて「宇宙!」みたいな味付けしたようなお話。


私、未来予測の本とか好きなんですね。
2030年とか2060年とか、いろいろありますよね。
カクミチオさんの本とか、「インターネットの次に来るもの」とか。
ああいうの好きなんです。


で、この南極点のピアピア動画は、
それらの本にありがちな、未来の風景のショートストーリーを超おもしろくしちゃったような話です。
これぞサイエンスフィクション。
こんな未来になればいいと思う。


やはりね、SFって、
科学技術を要素として上手に使って作られる、
人間あるいは人間みたいな意志のある何者かのドラマだと思うんですよ。
主役はあくまでも人(あるいは人っぽい何者か)。

感情の動きや、未体験のものに対する理解、ストーリー。


喜怒哀楽もあれば、
恋もすれば、
何かにハマることもある。
色々な感情がある。
そんな感情をもりもり盛り込んだ素晴らしいストーリーです。


**どんな本でした?
SFって、自分の生きている時代を背景にするか、
全く遠くて自分がいる場所と連続性がないような時代を背景にするかで話がだいぶ変わるかな、と思うんですね。


今と遠く離すと自由度が高くなるけど、
今に近くすると自由度は減るもののリアリティが増す。


南極点のピアピア動画は、
今を基点にしつつ、
いくつかの変化が起きた後の未来の話なので、
身近なのに自由度が高い。


身近だから共感できちゃうし、
自由だから楽しい^_^


なんというか、民放っぽくない作りといったらよいのでしょうか。
地方局のテレビ番組、なんならラジオドラマかと思うほどの荒唐無稽さなんすよ。


この本の読後感を一言でまとめると、「赤面する感じ」と言えるかもしれない。
赤面にはいい赤面と悪い赤面があって、
この本がもたらしてくれるのはいい赤面です。


気負わず、臆せず、これを書いて発表した著者さんに大きく感謝したい。
私が映画監督ならおそらく映像化してるくらい好き!


**どんな人におすすめしたい本でした?
・SFが好き!でもまだこの本を読んでない人
・今後自分が死ぬまでに世の中がどう変わったら楽しいな、とか妄想するのが楽しい人
3Dプリンターとか興味あるー、という人
・SF?なんかマニアっぽいやつ?んー、読む?という人
・あえてSFアレルギーの人
・あえてオタクっぽいものアレルギーの人

・映像化したいものが見つからない映画監督