ちょっと前から、「時間とお金の取り合い問題」、と自分の中で名前をつけている問題があるんですよ
私、いまどきの46歳なのでスマホやPCをよく見るんですが、何かしらの広告がいろんなところに出てくるし、いろんなアプリでいわゆるショート動画をつぎつぎに見せられる
これって、広告主側からすると自社の素晴らしい製品やサービスを世に広めようとしてるんだけど、受け手としては時間を喰われてるじゃない?
んで、さらに気になる動画をどんどん流されて、最終的にはなにかしらの課金をしちゃう人とかもいる
しかも、スマホ動画だけじゃなくてテレビもラジオも本もWebサイトも、最近では生成AIなんかも私の時間を奪いにくる
スコープを広げてみると、世界の人口が十何億人で、スマホ持ってるのが何人で、その人間さんたちの時間とお金をテクノロジーをつかって奪い合っている
貨幣的な価値から「アテンション=注意」を価値としてとりあってるよねー、と
時間を奪うのかどんどん上手くなってるよねー、と
んで、わたしが勝手に名前をつけるよりももっと前から「アテンション・エコノミー」という言葉があったんですって
AIさんに聞くと
アテンション・エコノミー(注意経済)とは、人々の限られた注意や関心を、お金のような経済的価値を持つ資源として捉える考え方です。情報過多な現代において、いかに人々の注意を引きつけ、維持するかが重要な課題となっています。企業や個人は、様々な手法で人々の注意を惹きつけようと競い合っています。
とのこと
「時間」を奪い合ってるんじゃないんですって
時間は「結果として得られるもの」的な扱いで、注意や関心を集めているのが元になってるのよ、と
意味わからん事態だけど、わかるよね
YouTubeやTikTokやいろんなSNSのフォロワー数も、いかに注意や関心を集められるかの指標になっている
飲食店や宿泊業は映えを狙い、注意を集めるためならフェイクニュースやフェイク動画を作ることも辞さない人たちがいるし、その欲求を叶えるためのテクノロジーがこの20年くらいでものっすごい進化を遂げている
データは新しい石油、って言葉があるけど、注意・関心もどうやら新しい石油なのよね
ただこの石油の特徴の一つが、上限が決まってることなんだよね
全人類が徹夜したとしても十数億かける24しか1日に得られない資源
お金の投資みたいに増えることもないし、むしろこれからどんどん減っていく
だからこそ尊いし、価値があるんだろうけども
そしてこれの問題はね、解決方法がまだ誰もわかってないことなのよ
法にも触れない、死者も出てない、事件性もない
ただただ真綿のように人類さんの進歩の足枷になっているんだけど、人類さんの上位の存在いないし、いたとしてもこの問題のようなものをどうこうしようという気はないらしい
広告とかショート動画、おもろいもんね
だっておれがおもろいと思うものが流れてくるんだもの
映画のマトリックスを思い出すわね
**どんな本ですか?
慶應義塾大学法科大学院の山本龍彦先生が、現代社会に蔓延しきっている「アテンション・エコノミー」と、それを解消することができそうもないというジレンマについて書いた本。
中身はいろいろな人との対談と、その対談を終えての山本先生の感想、というのの繰り返し。
対談相手は、法律の専門家、個人情報の専門家、ITの専門家など多岐にわたって、それぞれ違う方向性からの考察がなされる。
国単位での対策を考える人もいる。
ただ、決定的な対策案はまだない。
心にひときわひびいたのが、カリフォルニア工科大学の下條教授の話
「NHKの子ども番組は、30分番組であっても実際はショート系動画の集まりで、しかもそれぞれの動画には脈絡がないのですが、それが番組制作のセオリーだといわれています。」
だって。
今スマホを手にしている人類はみんなそれぞれがそれぞれに特化したおかあさんといっしょを延々と見てるんだって。
すごい話だよね
すでに一生かけても見られないくらいの動画が世に溢れているのに、これからさらに加速度的に動画が増えていくんだよ
**こんな人に読んでほしい本でした
・広告の受け手になっている人類の皆さん
・広告の配信主になっている人類の皆さん
・動画を見ている人類の皆さん
・動画を作っている人類の皆さん
・なんとなくアテンション・エコノミーに興味がわいた人
