これ、ここ数年で読んだ本の中で転換点になる本でした
画期的
「画期的」って、昔の上司が時々なにかを褒めるときに使ってた言葉なんだけど、
「期を画す」ってすごいよなー、と思ってたのよ
で、この本はね、画期的な本だな、と思ったんです
まんがで言うとドラゴンボールとか、キャプテン翼とか、スラムダンクとか、ワンピースとか、葬送のフリーレンとか、画期的だよなー、あるいは画期的だったなー、と思うんです
その作品の前後で世界が変わってるのか、社会がその作品に反映されているのかしらんけど
ジャンプまんがで言うとほら、「努力、友情、勝利」なんだけど、その性質が変わってるんだよね
主人公の成長、ライバルの登場、多様な登場人物や世界観、おどろきの展開、明かされる真実
などなどの要素があるけどさ、その量も質も多様性もレベル違いにぐっと成長してるんですよ
あと、方向性というか、「ああ、そういうおいしさもあるのか」みたいな感動ね
どんな本でした?
あ、で、まんがの話じゃなくて、そんな画期的な小説を書かれたキム・チョヨプさん
1993年生まれの韓国人の女性で、聴覚に障害があって補聴器を使ってたりするらしい
SF短編集
超よくできたSF短編集
「SF第何世代」みたいな言葉があるとしたら、この作品がその世代の筆頭です
ここ最近のSF小説の流れを思い出してみるよ
三体が中国からハリウッド的超巨大宇宙規模な世界観で世界中を驚かせた
プロジェクト・ヘイル・メアリーが孤独と戦い世界を救う主人公を新しい形で描いた
で、その2作に並べたいくらいの「世代」の一作なんです
質、質、方向性がまったく違う
巨大さがない
世界も救わないし、主人公は強くない
だからこその得も言われぬ読後感
主人公からして、家族に会いたい老婆とか、今にも彼女と別れそうな男とか、なんというか社会的弱者という意味でのマイノリティが多い
だがそこが得も言われぬ味になっているのよ
多様性の時代のSF作家さん、と思うし、他の作品を読むとこの本はもしかしてそういうコンセプトのもとに書かれてるんじゃないかしら、とまで思う
どんな人に読んでほしい本でした
・多様性について考えることがある人
・マイノリティについて考えることがある人
・新しいSFを知りたい人
