SFですよSF。
シブ知なSF。?
シブくて知的。インパクトもバカ要素もほとんど無い。最高。ドライ。確かな満足。
何と言ってもテーマがド派手で描写が地味。
「月で死体が見つかった。
人類がまだ生まれていないはずの5万年前の人間の死体が。」
いやいやいや、矛盾しとるやないかい。
生まれる5万年前に死んだんかいズイブン生き急いどんな~。
というところからお話が始まる。
1977年初版だからね(日本語版は1980年)。
博士達は会議室でも人の部屋でもタバコをプカプカすいまくったりする。
まさかこんなにタバコを吸える場所が減るとはおもわなかったんだろうなぁ。
70年代ってそういう感じだったろうね。
超重要人物がとっくに(5万年前に)死んでるという、
2時間サスペンスかのような超展開。
このお話の骨格の発想と、 血肉にあたるキャラクター作りのうまさや、
細かい描写の技で、ずんずん続きが読みたくなります。
こんな本です。
うわついた部分が4%くらいしかない、
ハードめSF小説です。
光線銃もどこでもドアもないまま、
ヒロインらしいヒロインもおらず、
登場人物は研究者のおっさんばっかり。
しかも長いことシーンは研究室とか会議室ばっかり。最高。
裁判モノの映画みたいにセリフが多い。
この本に書かれているのは、
・自動運転
・空飛ぶ車
・AI
・まだ無い推進機関
みたいな、当時ではイメージしかなかったような技術が多い。
妄想力すばらしい。
裏テーマとして、
・協力と対立
・思い込み
・組織と個人
・知識と知恵
・進化論
みたいなことも気にしつつ読むと、
ちょっとおもしろいと思う。
こんな人に読んでほしい本でした。
・SF好き
・宇宙モノ好き
・異星人モノ好き
・「火星に液体の水が」というニュースにワクワクした
・溶けた氷の中に恐竜がいたら玉乗り仕込みたい
・夏休みの課題図書にシリーズ全5巻くらいのSFを探している
・出身地が月
・出身地が木星
・出身地がガニメデ
ちなみに読むの二度目。でもおもしろかったわー。