うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

森博嗣さんの、「彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?」を読んで。読書感想文

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)

ぐわー
2連発でSFを読んでしまいました。
なんていうか、ラーメン2連発くらい個人的には罪悪感までいかない得も言われぬ行為なんですよ。
SF2連発読書。


っていうかね、SFっていう言葉で一括りにするのがそもそもアレだと思うんですよ。
ほら、「歴史もの」っていってもさ、
アクションもあればサスペンスもあれば恋愛ものだってあるわけじゃない。
それと同じように、SFにだってSFアクションもSFサスペンスもSFミステリもSFラブロマンスだって
あるわけじゃないですか?


だから時々2連発したって私は後ろめたい思いをしなくてもいいんだと思うんです。
ほら、冷やし中華食べた翌日に塩ラーメン食べたっていいじゃない。
夏はやっぱり塩だよなって、澄んだ魚介のスープだよって。
干し帆立貝柱を使ったスープですよって。


あ、関係ないけどこの前幸楽苑に行って塩ラーメン食べたんだけど、
おいしいねーあれ。
あの麺はかんすいだけであのプリプリなの?しかものびにくい。
冷凍うどんみたいにキャッサバのでんぷんとか使ってるのかしら。


いやでも考えてみるとマルちゃん正麺のコストパフォーマンスたるやものすごいよね。
298円で5袋入ってるって、よくそのへんのラーメン屋さんつぶれないよなー、と思う。
そうそう家ラーメンといえば今度低温調理でチャーシュー作ってみようかなーと思ってるんです。
グラム100円前後のを600グラムくらいのかたまり探して
60℃2~3時間くらいで、って思うと1枚20グラムのチャーシュー作っても30枚じゃないっすか。
あとはメンマかー、安く大量の味付けメンマを作って小分け冷凍かなー。


だいぶ話がそれました。


いやね、
誰が後ろめたい思いをさせてるのかって言うと、
勝手にマイルールを作って勝手に守ってる自分なわけですけども。


でも職場のデスクに置いてある「MBA定量分析と意思決定」とかさー、
ペラっと開くとなんか興味深いページもあるから見てもいいのにさー。
って自分の中の自分が言うんですよ。
でも物理的にも心理的にも重いじゃないっすか。


あ、一度それた話を戻せてませんでした。


彼女は一人で歩くのか?の話ですよね。
超ドライで、クールなSFです。
血が通ってるんだけど、はたしてそれは本物の血なの?
と問いかけられるような。

どんな本なの?

ドライでクールって書いたけど、
Matrixとかみたいな暗い重い感じのドライでクールな感じではなくて、
ドライかつほのぼのしてるのに、
突然瞬間的にアクションシーンになったりする(でも一瞬で終わる)


この「ほのぼの感」はセリフ回しにも
登場人物の緊張感のなさにも現れてるんだけど、
前提として「ほとんど死なないくらい寿命が伸びちゃってる世界」
だから、というのが理由の一つにあるよね。


「お金持ちになったら何したい?」って、ワクワクする質問で好きなんだけど、
「不老不死になったら何したい?」って、ビミョーに答えに困るよね。


あと、
「てめえらの血は何色だー!!」
という超有名な近未来世紀末SF拳法アクションまんがのセリフがありますけども、
いやそれって赤けりゃ人間ってことにしていいの?
って質問されてるようなストーリーなんですよ。
血は赤いけど、人間かどうかはまた別の話。


人間と人間っぽいものを分けると言われる
不気味の谷」のはるか向こう側。
偽物が本物に近づいたら、それは本物と言えるんじゃないの?
っていう軸があるお話。


生身の体と魂と。
SFは進み続けるとスピリチュアルに近づくのね。

こんな人に読んでほしい本でした。

・不老不死にあこがれている
・最近不老不死になったが、ヒマだ
・最近不老不死になったが、将来ヒマそうで不安だ
・あれ?おれもしかしてクローンじゃない?と思うことがある
・あれ?おれもしかして人造人間じゃない?と思うことがある
・普通に楽しいSFが読みたい
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?が好き
・魂ってなんなの?と思う


ちなみに、harunaさんの
booksformams.hatenablog.com
の記事で知った本でした。
やはり人がおすすめしてる本を読むのは楽しいですね~。

星を継ぐものを読んで。読書感想文。

星を継ぐもの (創元SF文庫)
SFですよSF。
シブ知なSF。?
シブくて知的。インパクトもバカ要素もほとんど無い。最高。ドライ。確かな満足。


何と言ってもテーマがド派手で描写が地味。
「月で死体が見つかった。
 人類がまだ生まれていないはずの5万年前の人間の死体が。」
いやいやいや、矛盾しとるやないかい。
生まれる5万年前に死んだんかいズイブン生き急いどんな~。
というところからお話が始まる。


1977年初版だからね(日本語版は1980年)。
博士達は会議室でも人の部屋でもタバコをプカプカすいまくったりする。
まさかこんなにタバコを吸える場所が減るとはおもわなかったんだろうなぁ。
70年代ってそういう感じだったろうね。


超重要人物がとっくに(5万年前に)死んでるという、
2時間サスペンスかのような超展開。
このお話の骨格の発想と、 血肉にあたるキャラクター作りのうまさや、
細かい描写の技で、ずんずん続きが読みたくなります。

こんな本です。

うわついた部分が4%くらいしかない、
ハードめSF小説です。


光線銃もどこでもドアもないまま、
ヒロインらしいヒロインもおらず、
登場人物は研究者のおっさんばっかり。
しかも長いことシーンは研究室とか会議室ばっかり。最高。
裁判モノの映画みたいにセリフが多い。


この本に書かれているのは、
・自動運転
・空飛ぶ車
・AI
・まだ無い推進機関
みたいな、当時ではイメージしかなかったような技術が多い。
妄想力すばらしい。


裏テーマとして、
・協力と対立
・思い込み
・組織と個人
・知識と知恵
・進化論
みたいなことも気にしつつ読むと、
ちょっとおもしろいと思う。

こんな人に読んでほしい本でした。

・SF好き
・宇宙モノ好き
・異星人モノ好き
・「火星に液体の水が」というニュースにワクワクした
・溶けた氷の中に恐竜がいたら玉乗り仕込みたい
・夏休みの課題図書にシリーズ全5巻くらいのSFを探している
・出身地が月
・出身地が木星
・出身地がガニメデ


ちなみに読むの二度目。でもおもしろかったわー。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。を読んで、読書感想文。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。
良書でありました。


鳥類学者無謀にも恐竜を語るを読んで。読書感想文。 - うさみ本棚
という、無謀な本を以前読んでいて、そこから今度は鳥類学者当たり前ながら鳥類を語る、とも言うべきこの
「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」を読みました。

ネタバレになっちゃうかなー、
これ言うとネタバレになっちゃうのかなー、
でも言っときたいな、うん。
「好きだと思うなよ。」と書いてますが、
この人、鳥が大好きなんだと思います。


なんていうか、
「この人って、仕事から給料以上のものをもらってる」
と思う人がたくさんいるんです。


例えばウチの妻は元保育士ですが、
働いていること自体がご褒美みたいな、
いわゆる天職を見つけちゃった人でした。
20歳を超えた元教え子(教えてた当時は3~5歳くらい)に誘われて飲みに行くとか、
超かっけーと思う。


あと、SEさんとかITエンジニアさん界隈でも、
仕事(の中の一部だね)が好きで好きで仕方ない、
気になって気になって仕方ない。
みたいな人っているんですよ。


好きな人がその対象について語り倒しているのを聞くのは楽しい。
と、私は以前から思っています。
愛にあふれたブログが好きだ。愛にあふれた人が好きだ。と言う話。 - うさみ日記
↑このへんの記事にも以前書きました。


んで、この川上さんなんですが、
大学に入って自然探索サークルに入って大学院に入って研究機関に誘われて大学に誘われて
あれよあれよと鳥類学者としての仕事が始まって、
気づいたら絶海の孤島行きの船に乗っている、という人生だそうです。
すげい。


あ、絶海の孤島に行くのは、
手付かずの生態系があるから、
という理由ですからね。
事件性があるものではないですよ。


接岸できる浜がないから船から泳いで上陸して、
崖登ったりすんの。
初期のHUNTER✕HUNTERみたいじゃない?

どんな本なの?

鳥類の研究者が研究対象の鳥と自分の研究スタイルについて、
ネタを織り交ぜつつおもしろおかしく語る、という本です。


・鳥の死体をいろいろ調べる話
・絶海の孤島で死にそうになる話
・在来種と外来種の話
・渡り鳥の生態
・死んだように動かなくなる鳥の話
・鳥のフンには大も小も混ざってる話
・絶海の孤島にどうやって上陸するかの話
・絶海の孤島の鳥たちの暮らしの話
・調査現場の孤島がマグマに飲み込まれた話
などなどのテーマがあって、
ふつうに書いたらちょっとおもしろいかなー、
くらいのテーマですが、この本には
ユーモアというか、ネタがふんだんに盛り込まれております。


例えば、
・1Q73
・陽気なネズミが世界を回す
冒険者たち、冒険しすぎ、ガンバりすぎ
ダイナソーインブルー
っていう見出しや
・バルタン星人やM78星雲人の標本を多数収集
・みなさんのおかげです
・「このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!」
みたいな文章がたぶん5ページに一回くらいのペースで出てくる。


ほら、お友達になりたいランキング高めでしょ?

こんな人に読んでほしい本でした

・鳥類および鳥類学者に興味がある
・鳥類学者と付き合っている
・鳥類学者に付き合ってくれと言われた
・鳥類学者になろうか悩んでいる
・鳥類が大好き
・絶海の孤島が大好き
・鳥貴族
・小ネタ満載の本が読みたい、正直テーマはなんでもいい

デヴィット・ビアンキさんの「お父さんが教える13歳からの金融入門」を読んで。

お父さんが教える 13歳からの金融入門

お金、株、オプション、ファンド、債権、譲渡性預金、企業分析、金利、純資産、税金、経済、
みたいなことって、義務教育で教えてくんないじゃないっすか。
知ってるといろいろ便利なのに。
勉強しないとわからない。


リスキーだから教えないのかな。
でも、世の中でなにが起きてるか、とか、
世の中どうやってもうけてる人がいるか、
ってことは勉強しておいて損はないと思うんです。


自分の身を護るためにも、
いままであんまり触れて来なかったことを
勉強してみる。
というのは、とても健全なことだよね。
なんであれしくみが理解できると楽しいし。

どんな内容の本なの?

あるお父さんが、
息子に金融の基本を教えるために書いたメモが、
だいぶ立派になって本になって、
彼の息子じゃなくても買えば読めるようになった。
と言う本です。


だからとてもわかりやすくて(ここ大事)、
読みやすい内容なんですね。
金融のことをなにも知らない人が読むには
ちょうどいい金融の本に仕上がってるんです。


お金の話って、なんかずっとしにくいじゃないっすか。
お金の話ってしにくいんですよ。
でも、知ってるほうがいいに決まってるじゃないですか。

こんな人に読んでほしい本でした。

・今13歳で、金融のことを知らない
・今14歳以上で、金融のことを知らない
・今13歳未満だが、金融のことを知らず、かつ、金融に興味がある
・カブってあレだろ?大根を短くしたみたいな白い根菜の…みたいなことを言ったことがある
・子供が13歳で金融のことを教えたい

BtoB ウェブマーケティングの新しい教科書

BtoBウェブマーケティングの新しい教科書 営業力を飛躍させる戦略と実践 (MarkeZine BOOKS)

この前書いた「ノヤン先生のマーケティング学 - うさみ本棚」が
入り口の本だとすると、リビングくらいまで深入りしたような本。
主婦向けじゃなくてシェフ向けのレシピ本みたいな感じ。

どんな本なのですか?

「BtoBウェブマーケティングの(2017年時点での)新しい教科書」
です。
2018年の今読んでも十分に教科書として使えます。


「顧客」って、誰のこと?とか、
「集客」って、何をどうやってするの?とか、
そんな疑問を持っている人にはまさにハマる一冊だと思う。


上の方に「リビングくらいまで」
と書いたのには理由があって、
コンテンツの話とかMAの話みたいなところには踏み込んでいないので、
そっちはそっちでイイ本やイイ師匠をさがしましょうね!
Pardotユーザーの人はPardotユーザー会にぜひ行きましょう!

こんな人に読んで欲しい本でした

マーケティング一年生の人
マーケティングを理解したい営業さん
・ベテランウェブマーケターにカモにされてる気がしてならない人

ノヤン先生のマーケティング学

ノヤン先生のマーケティング学
マーケティングって何?最初読むのにいい感じの本とかあんの?」
と、聞かれたら、今の私は相手によってこの本か、
コミック版 100円のコーラを1000円で売る方法
あたりをを推します。


だって、わかりやすいんだもん。

どんな本なの?

庭山一郎さんが書いたコラムのまとめ本です。


広く浅くはなるものの、たくさんの知恵や知識が詰め込まれていて、
かつ、時々「視野が狭くなってないか」「ちゃんと見るべきことを見ているか」
みたいなことに気づかせてくれる。


知識という点では、
マーケティングの歴史と発展や、
STPとかSWOTとか4Pとか4CとかRFM分析とかライフタイムバリューみたいな
一通りの言葉が学べます。


また、この本を読み終わったら、
この本で紹介されてるマーケティングの本を読むと、
より理解が進むと思います。
それと同時に実践してみると、
立派なマーケターが出来上がると思う。


「フクロウがお話してる文体」がだめ、
という人はもうその時点でだめかもしれないけど、
まとまってるしイイ本なんだよ。
初等教育の教科書にすればいいのに、と思う本の一冊。

こんな人におすすめしたい本です

マーケティングって言葉は聞くけど、なんのことだかわからない
・マーケターで、基礎をおさらいしたい
・消費者である自分が食い物にされてるんじゃないかと心配している
・長い本は読めないけどエッセイなら読めるよ、という人
・小説ばっかり読んでたら飽きてきた人
・庭山さんファン
・ノヤン先生ファン



いやはやしかし一ヶ月も間を空けてしまいましたよ。
ゲーム・オブ・スローンズ見てた。

飛行機の歴史

飛行機の歴史 (福音館の単行本)
先日次男が図書館で選んで読んだ「機関車・電車の歴史」の、今度は飛行機版。
写真ではなく、精密な絵でもなく、幼稚な絵本の絵でもなく。
この絵の力と文章がぐいっぐいっと少年心を押すのです。


まずは神話の時代というか、
「こうやったら飛べるんじゃね?」
と大昔の人達が書いた絵からはじまります。
「鳥があの大きさでああやって飛んでるんだから、
 おれたちもこんな感じで飛べない?」
みたいな絵が多数。
鳥は軽量化がすごいんだよねー。
ミニ四駆か!って。


あと、レオナルド・ダ・ヴィンチ先生の数々の絵。
絵力がありすぎて、作ったらほんとに飛びそう。


そしてモンゴルフィエ兄弟の熱気球ね。
色がかわいいあれ。
くわしくはこちらを参照してください。
モンゴルフィエ兄弟 - Wikipedia
昔は羽ばたく系の発想をする人が多かったと思うけど
「軽くして浮く」という発想がもう。素晴らしい。


そしてそこからしばらく経ってライト兄弟の飛行機ですよ。
これをこのタイミングでこども達に読んであげられたことがうれしい。
なんでって、彼らが眠る前に「むかしばなし ライト兄弟」とか話していたので、
「ほら!これがライト兄弟の飛行機だよ!」
と、見せてあげられたことがうれしい。


技術って、科学って、人間ってスゲーんだよ!



あとね、チャールズ・リンドバーグのスピリットオブセントルイス号ね。
ほら、伝記っぽい本を読むと、
「とにかく燃料いっぱい積みたかったから、
 前なんてほとんど見えなかった」
って書いてあるけど、ほんとにこんなに見えないの!?
っていうくらい前が見えなさそうなんだよ。


魔女の宅急便に出てきた飛行船も出てくるし、
紅の豚に出てきそうな飛空艇とかプロペラ機とか。
あとはジェット機(旅客機も戦闘機も)も出てくる。
あ、最初のほうに「ほうきに乗った魔女」もたしか出てくるよ。
これはほんと、歴史書ですよ。

こんな本でした。

空を飛ぶことを夢見た人たちと、
彼らが作った空飛ぶモノたちを、
キレイな絵と簡潔な文章でまとめた、
絵本のような辞典のような本です。


さながら飛行機博物館。
この調子でその先の
「UFOの歴史」とか「宇宙船と軌道エレベーターの歴史」
みたいな本も書いて欲しいわー。


これを見せてからレゴブロックを渡すと、
今まで車を作っていたこどもが
飛行機を作り始めますよ。

こんな人に読んで欲しい本でした

・飛行機が好きな人
・ジェット旅客機が好きな人
・小型プロペラ機が好きな人
・飛行船が好きな人
飛行艇が好きな人
・空を飛びたい人
・科学が好きな人
内燃機関が好きな人
・おじいちゃんがいつも飛行艇乗りの連中ほど気持ちの良い男たちはいないって言ってた人
・おじいちゃんがいつも飛行艇乗りは船乗りよりも勇敢で丘の飛行機乗りより誇り高いんだって言ってた人
・逆に、飛行機が空を飛ぶなんておかしいと思っている人
・むしろ、鳥が空を飛べるのっておかしくないか?と思っている人
・かっこつけて落ちてるだけだ、と思う人
・この前のFalcon Heavyの打ち上げムービーを見て感動した人
・好きな映画がPLANESな人
・好きな映画がTop Gunな人
・君と出会えた奇跡がこの胸にあふれてるから空も飛べるはずと思う人
・あのさあ、んとさあ、空くらいは飛べるかもしれないと思う人