ラーメン屋さんの「全部のせ」ってあるじゃないですか。
いろんな具がごわっさーって乗ってるやつ。
私はあまり頼まないんですが、
なんかお得な気もするよね。
この「宇宙消失」というお話は、
超淡麗キリッと塩ラーメンに様々なトッピングをもりもりに盛り込んだような、
不思議な作品。
軸となるストーリーはシンプルなんですよ。
鶏ガラと昆布と煮干し、で、細縮れ麺。くらいの。
ただ、トッピングが超過激。
・太陽系がすっぽり黒い「バブル」に包まれちゃった、という異常事態
・脳内モッドによる脳の機能拡張があたりまえな世界
・超能力ではなく、何十億分の1の確率をコントロールする
みたいな、モリモリ盛り込みすぎな内容。
なんというか、どんな強敵にも勝てる主人公なんです。
超能力で結果を変えるんじゃなくて、
起きた結果を選ぶような話。
どんな本ですか?
西暦2060年代のお話。
ナノマシンの技術が進歩して、
スマホにアプリを足すみたいに、脳内に機能を追加できるようになってる世の中。
夜でも星が見えないのは、
太陽系の外側に黒い目に見えない膜のようなものがかかってるから。
そんな中、世界のルールが変わっちゃうような発見がされたことをきっかけに
主人公が事件にグイグイ巻き込まれる。
派手な銃撃、ありません。
洗脳し合うデジタルな戦い、ありません。
戦闘用ロボット、出てきません。
宇宙人、出てきません。
登場人物がカッコいいかと言われると、そんなこともありません。
面白いけど、これは好き嫌いがわかれそう。
これが売られてる本じゃなくて、
友達が「こんなの書こうと思うんだよね―」って言って見せてきたら、
「いや君、盛り込みすぎやで」と言うくらいに
モリモリといろんな要素を詰め込んだお話。