うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

夏の検索キーワードコレクション。読書感想文ブログを書くとなぜか「小中学生に8月だけ見られる」ことが判明した夏。

良い子のみなさん、こんにちは。こちらは、
うさみ日記とか
うさみ本棚といった
ブログを書いているうさみこと宇佐見直人です。



「小中学生の皆さんが、夏だけ」


このブログを見に来てくれたっぽいのです。
なぜでしょう。不思議ですね。
「小中学生の皆さんが、夏だけ」


38歳のおじさんのブログを、
小中学生が「夏だけ」見に来ていたようなのです。
「小中学生の皆さんが、夏だけ」


・・・


さて、それではこの夏、
秀逸だった検索キーワードを見てみましょう
(注:実際にYahoo!とかGoogleで検索されたキーワードです)。



まずこれ

15少年漂流記 感想文 丸写し

おおおおお!
はいコレ!ド直球!
いよっ!未来の大谷翔平


ちなみにこの感想文には
「え、ちょ?何? ドッキリ?
 岸、遠くない!?
 ドッキリ!?」
みたいなことが書いてあるんですが、
本当に丸写ししたのか気になるところです。
先生が笑ってくれるとうれしいな。




はい、次ー

火花 感想文400字以内
聖の青春 読書感想文 1800文字

文字数指定!
そんなの気にしないで書いちゃったよもー。
先に言っといてくれれば文字数も気にして書いたのにー。


ってアホカー!ボケナスカー
「この記事の文字数は1,800文字です」
とか書いたこと無いわ。
なにたどり着いとんねん。




はい、次ー

モモ 読書感想文 選んだ理由
モモ読書感想文読もうと思ったきっかけを教えて下さい

んー?どんな答えを期待して見にきちゃったかなー?
残念だなー選んだ理由は確か書いてないなー。
ご期待に添えず申し訳ない。
…なわけあるかー!


読もうと思ったきっかけって、
「おもしろそうだから」くらいじゃないの?
つかもう
「課題図書だったもんで」とか
「本屋に平積みされてたから」とか
「お母さんor友達が面白いって言ってた」とか
「名作との誉れ高かったから」とか
てきとーに書いとこうよそこは!




はい、次ー

じゅうごしょうねんひょうりゅうき 感想文


さとしのせいしゅん 読書感想文 書く方法

ねえ、
「感想文」とか「読書感想文」を変換したんだから、
本のタイトルも変換してやってよ。
おじさんからのお願い。
確かに
「さとし」は「聖」とは変換されにくいけど、
google日本語変換かなんかだと変換されるよちゃんと!


あとね「読書感想文 書く方法」ってね、
教えてあげようか?
本を読んで、それから、感想を、書こうね。



はい、次ー

聡の青春を読んでの感想文

名前違う!
聖! 聖と書いてさとしって読むの。
そっちの聡だとこの前結婚した俳優か、
ヤンキー青春漫画界の巨匠になっちゃうから。




はい、次ー

きよしの青春

惜しい!
でもちゃんと検索できてる!
グーグルさんは人類を甘やかし過ぎだと思うのよ!




はい、次ー

十五少年漂流記 読書感想文 10歳児
十五少年漂流記 読書感想文 中学生

もしもしこちら38歳のおじさんです!
難しい漢字とか使わないで書けばよかったんですかー!?
もしもし?もしもしもしもーし!?


しかも「10歳児」ってのが、
10歳児が検索したのか、
第三者が検索したのか、
非常に興味深い!




はい、次ー

じゅうご少年漂流記読書感想文 低学年 ウミガメ

なんでウミガメ検索した!?
「漂流×ウミガメ=食われちゃう」
に決まってんじゃん!




はい、次ー

中学三年 読書感想文モデル

モデル!
言葉はかっこいいけどやろうとしてることパクリじゃんかお前!
書け!読んで書け!




はい、次ー

さとしのせいしゅん 読書感想文 書く方法

書け!読んで書け!


ああもう、
はいみんなちゅうもーく!
先生これからー
読書感想文を書く方法を教えまーす!
いいかーみんなー、よく聞いてー!
読め!読んで書け!




はい、次ー

読書感想文 パクリ 聖の青春

パクリ!また来たド直球!
読め!書け!読んで書け!






次!

十五少年漂流記 読書感想文 例
ハーモニー 読書感想文 ポイント

なにを「パクるつもりじゃない風」にしてんの!
読め!読んで書け!






次!!

読書感想文 火花 読まない


Oh my...!




読まっ...!




てめえらの、


てめえらの血はなに色だーっ!!


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次!!!

料理本 読書感想文

オイオイ料理本で読書感想文なんて書けるかよー
と思ったら、おれ、書いてた!
「10皿でわかるフランス料理」を読んで。読書感想文。 - うさみ本棚




次!最後!

池尻大橋 蕎麦 火花

あ、それあそこですよ花しずく。
うん。


こないだ目の前通ったけど、
他のお店がどんどん変わっていく中で、
安定感あるよね。龍の子とかこことか。
派手さのない安定感。



ってそんなんRettyでも見てくださいよ!
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さて、先生今回はねー、
このブログには珍しいことに、自分で読んでない本をみんなにオススメするよ。
この二冊のどっちかを買って読んでください。
来年の夏までに!!
これは先生とみんなとのやーくーそーくー!!

だれでも書ける最高の読書感想文 (角川文庫)

だれでも書ける最高の読書感想文 (角川文庫)

ダグラス・アダムスの銀河ヒッチハイクガイドを読んで。

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

あと12分で地球が終わるとしたら何する?
何をするだろう。ビール飲むかな。




死者数ランキングで言うとかなり上位に入るような小説なんだけど、
ブラックなユーモアはあってもグロい描写はほぼ皆無。
当時イギリスに住んでたらより笑えるのであろう
「労働者の皮肉」みたいなものもちらほら。



どんな本?

うんとねー、
お家がブルドーザーで壊されそうになってー、
そのあとねー、地球がなくなってねー、
でねー、宇宙船から追い出されてまた拾われて変な動物になってまた戻ってー、
地球を作る工場に行ってねー、
ネズミとイルカがすごい頭いいの。




はい。
荒唐無稽支離滅裂なストーリー。
5歳か!とつっこみたくなりますね。




皮肉に笑わせながら驚かせることを目的に書いたような小説。
スラップスティックSFです。
伏線なんて回収しないし、
ミサイルなんて植木鉢とマッコウクジラになっちゃう。




死にかけて「ああ、運が良かった」みたいなことが連発。
しかもその一命を取り留める前の章の最後で
「大丈夫、主人公たちはこのあと打撲1名くらいで死なないから」
みたいな解説も入る。
なかなかないですセルフネタバレ小説。




主要登場人物もかなりキャラ立ってます。
明らかにうつ病の超知性人工知能ロボットとかも出てくる。




ちなみに、
主人公は地味。




1978年にイギリスで放送されたラジオドラマを、
その脚本家が小説にした、という一冊。
イギリス人的悪ノリ、ここに極まる。という作品です。




古典SFベスト10には入らないけど、ベスト100なら入るくらいの名作です。



こんな人に読んで欲しい本でした。

Googleで「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」って検索したことがあるけど、まだこの本を読んでない
・登場人物が少ない小説が好き
・超兵器が云々とか銀河帝国とか科学的可能性が云々とかはさておき、変な話が読みたい
・人生には娯楽が必要だと思う
・人生は時に不可解だし、努力をしても叶わないこともあれば、努力してなくても得られちゃうものもあると思う
・今まで覚えた全部でたらめだったらおもしろいと思う

ザ・セカンド・マシン・エイジ。エリク・ブリニョルフソン (著), アンドリュー・マカフィー (著), 村井章子 (翻訳)を読んで。これからの仕事ってどうなるのかしらねー、とか思ったんだよねーって話。

機械との競争
という本を書いた2人が、その2年後に書いた本。


前回が
「機械との競争」なら、この本は
「機械との共存」と言っていい本。


ザ・セカンド・マシン・エイジ

ザ・セカンド・マシン・エイジ


どんな本?

「序文に代えて」が

人間は馬と同じ運命をたどるのか?

っていう文章から始まります。
蒸気機関ができる前は、馬が馬車をひいていたのに、
蒸気機関や内燃機関が世界中の馬の数をぐんと減らした。


「人間、いらなくなっちゃいまーす
 仕事なくなっておまんま食い上げになりますよー」
って言われたら、どうする?


ホーキング博士イーロン・マスクも同じようなことを
言ってますよね。ヤバイよヤバイよって。
そっちは仕事だけの話じゃなくて、
人類の種としての存続が、みたいなとこまで含めた話だけども。


ちなみにこの本のテーマが「セカンドマシンエイジ」なら「ファーストマシンエイジ」はなんだったの?
というと、18世紀の産業革命で「動力」を機械から得るようになった時代。
そして「セカンド」はコンピューター→人工知能の発展による
「制御」の革命だよ。
あるいは、機械が今ある人間の仕事をできるようになるよ。


んで、機械が仕事するとそのうち、
人間よりコストが安くなるのは目に見えてるし、
そうすると、その変化によって仕事を無くす人がでるよね。


「制御する機械を制御する人」というか、
イケてる経営者さんなんかはコストが減って収入が増えることになるし、
「機械と競合する人」はだんだん仕事がなくなる。
このままだと今よりもさらに富が集中して格差が広がるぞ。こわいでしょ?って。
みたいなことが書いてある本です。


さて、とはいえ希望も書いてくれてます。
「共存」
ですよ。


どのへんが「共存」なのかというと、
例えば「コンピューターがチェスのチャンピオンを破った」というニュースがあったけど、
その後「コンピューターと人間がタッグを組んで別のチームと戦う」というイベントがあるんです。
んで、ある時そこで優勝したのが、チェスのグランドマスターと最強のスーパーコンピューターの最強ペアでは無くて、
アマチュアのチェス愛好家と3台のパソコンなんだって。


これはとても面白いエピソードで、
人間とコンピューターのいいとこ取りが一番上手いチームが勝ったんだよね。
先を読むのはコンピューターのほうが優れてるけど
「どんな傾向で先読みすべきか」みたいなひらめきを
人間が提供した、と。


悟空とベジータコンビじゃなくて、
ヤムチャ様とプーアルが優勝しちゃった!みたいな話。
ちょっとちがうな。
じゃあキャノンボール2でのリチャード・キールジャッキー・チェンチームが優勝!みたいな。
これはかなり違うな。
クリリン人造人間18号ペアが悟空×ベジータコンビに勝つ!みたいな話!
と思ったらそれは人工知能ではなくて人造人間だそうで…。


これはちょっと人間さんチームにも生き残りの道が見えて来たかしら?
これからいろいろあると思うけど、50年くらいは死なずにこのへんの進歩を見たいわ。

こんな人におすすめしたい本でした。

・これからの世の中を予想、想像、妄想するのが楽しい
・世界経済の2極化はもはや止められない話だと思う
・ピケティを別な視点から反芻したい
人工知能やテクノロジーの進歩に興味がある
・最先端テクノロジーについて少しでも詳しくなって一円でも多く儲けたい
・SFが好き
・「好きな人工知能」を考えたことがある
アンドロイドは電気羊の夢を見るかもしれないと思う
・電源が取れて炊飯できるロボットがいたらステキだと思う
・理由あってそこそこ厚い本を探している




ああ、良い読書だった。

燃えよ剣を久々に読んだらちょっとたのしかったのよー。という読書感想文。

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)
燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)

花火をスーパースローで撮影したみたいな物語なんですよ。


むかーしむかしあるところに土方歳三さんという人がいて、
その人の半生を描いた小説。
青年期から30代半ばでなくなるまでの20年間くらい。


時代の移ろいと共に 敵も味方もばったばったと切り倒す。
多摩で、江戸で、京都で、甲府で、宇都宮で、函館で、
あっちゃこっちゃで斬り倒す。
ばったばったと斬り倒す。


超怖いのに、
時々チラッと人間味がある主人公と、
個性的で主人公と引き立てあう主人公。
かっけーっす。

どんな本?

ざっくり3パートくらいに分かれてて、
一つは新選組以前の多摩か江戸にいる時期。
次が京都で新選組副長として
ばったばったと敵味方を切り倒す時期。
最後は幕府が大政奉還した後の
甲州→流山→宇都宮→会津→仙台→函館と
転戦していく時期。


それぞれがそれぞれに面白い。


幕末ものってやっぱり面白いなー、と思うのは、
・刀と銃
・日本と外国
徳川幕府と諸藩
・地方の上士と郷士
・海軍と陸軍
・武士と軍人
・組織のトップとナンバーツー
みたいな、いろんな対立関係や比較があるからかもしれないね。


書き方の特徴としては
・客観的で心理描写が少ない
・とにかく人が死ぬが、さっぱり死ぬ
 ぐえーもぎえーもなし
・やってることは陰険なのに爽やか
・戦闘シーンもドライめ
・著者の主人公愛がどう見ても強すぎるほど強い


そうそう。
主人公愛が強めです。
「土方LOVE!」と言わんばかり。
とにかくべらぼうな強さとか、頭のキレの良さとか、モテっぷりとかね。
盛り盛りです。チート的強さ。


そのくせ、
この時期の司馬遼太郎先生は
竜馬がゆく」も書いてるはずというのがスゴイ
項羽と劉邦」「劉備曹操」「マリオとクッパ
ヨーダパルパティーン
のそれぞれを主人公にした全く別の小説を
同じ時期に書くようなもんなんですよ


剣道部の土方センパイが主役の小説と、
ボート部の坂本センパイが主役の小説を、
同時期に器用にかき分ける新聞部の司馬くん。
みたいな状態です。
しかもどっちのファンからも好かれてる。
すごいぜ司馬くん。

こんな人に読んで欲しい本でした

・幕末ものが好きな人(は、多分もう読んでる)
・組織のナンバー2的ポジションが実はいいなー、と思っている人
 (トップは飾りで実権は自分が握りたい人)
歴史小説の最初の一冊を何にしようか悩んでる
司馬遼太郎を読んでみたいけど何から読もうか迷ってる
 (上下巻で終わるからね)


ということで、
まだなら読もう、燃えよ剣

ジュール・ヴェルヌの十五少年漂流記を読んで、読書感想文。クリーンな漂流記だったなー。

先日沖縄に行ったんですが、水族館でウミガメを見るたびに
「ああ、漂流モノの小説でおいしく食べられちゃうウミガメだなぁ」
と思っていた私ですこんばんは。


十五少年漂流記はジュール・ヴェルヌによって書かれ1888年に出版された小説です。
今から128年前。日本は明治21年。
日本初のコーヒー店ができたのがこの年だったらしいよ。

こんな本でした

8歳から14歳の15人の少年と犬一匹を乗せた帆船が、
気づいたらプーカプーカと流されていた。
なんとか海岸に漂着したものの、
ここがどこかもわからない。


なんとか生き延びて、
お家に帰りたいなー。
というお話。


「え、ちょ?何?ドッキリ?
 ドッキリ!?
 ガチ!?
 ガチとか!?うっわ!
 っちょ!!


 ちょ…」
みたいなお話ですね。


動物を殺すシーンとか、
排泄系エピソードとかがキレイに取り除かれていて、
子どもも安心して読めるあたりはさすがジュール・ヴェルヌ
あ、でも終盤のドーン!みたいなやつはアレだけども。


この人の作品にしてはSF感が少ないのも特徴です。
地底やら海底やら月やら行っちゃう人にしては。



ちなみに、ヴェルヌの名言として知られる
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」
は、後の捏造じゃないの?という説もあるらしい。
へー。

こんな人に読んで欲しい本でした。

・夏休みの少年!
・夏休みの少年のお父さん
・夏休みでもなければ少年でもない老若男女のうち、冒険心を忘れてない人
・南の島で静かに暮らしたい人
・漂流経験がある人


小学生か中学生のころに一度読んでいて再読。


前半は、
「ああ、そうそう、こんな話だよね。
 ノンフィクションの南極海漂流モノとかも読んだ俺にはスリルの一つもないぜ」
と思ってたけど、後半に入ってからは
「あれ?こんな話だっけ?
 うお、うおー、うぉぉぉおお!」
という状態になった。


またこの文庫版の表紙イラストが最高に好き。
十五少年漂流記 (新潮文庫)



いやー、楽しいわ。楽しい。ジュール・ヴェルヌ大好き。

『モモ』を読んで。読書感想文。「エンデの遺言」は読んだことあるのに、これは読んだことなかったんです。

モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

「ものの価値はだんだん下がるのに、それと引き換えにできるお金はほっとくと増える。これって変じゃない?」
みたいなことが、『エンデの遺言』という本に書いてあって、あー、そうだよなー。
と思ったのが数年前のこと。
そんな人が書いた小説をこの前読んだ。


こっちはお金の話じゃなくて、お金以上にコントロールができない時間の話。
しかも、自分ではコントロールできない時間を他人にコントロールされてしまう話。
ゆるふわファンタジーってこともなく、
タモリさんが世にも奇妙な物語で紹介してもいいくらいのへヴィーさ。

こんな本でした

超おもしろい本でした。


モモっていう女の子がある街にやってくる。
どっから来たんだかわかんないしこきたないんだけど、いるだけでその場の空気が変えてしまう。
子どもたちは楽しく遊べるようになるし、無口な大人も話をしたくなるし、よく喋る大人は話が止まらなくなるし、
ケンカをしていた二人はケンカやめる。


そんなモモが世界中の人間の時間を奪おうとする謎の集団と、
唯一無二の時間の提供者の間で立ち回ってどったんばったんピタっ!どったんばったん。
理由はわからないまま自分を見失う人々、
離れ行く仲間たち、幸せな日々を省みない大人たち。


街に朝日は再び輝くのか、
人々に笑顔は戻るのか。
時間をめぐるスペクタクルファンタジー巨編!
みたいな本です。

こんな人におすすめしたい本でした

・面白い本が読みたい人
・名作名作って言ってるけどほんとにおもろいの?と思っている人
・「時間」ってなんやねん、と思っている人
・読書好きな人と友達になるためのきっかけがほしい
マボロシでかまわない、時間よ、止まれ、って思っている人
・日々、歌う言葉さえも見つからぬまま時間に追われ途方に暮れている人



エンデの遺言」の感想文を前に書いたんだった。

前にブクログ - web本棚サービスというやつにレビューを書いてた時に、
エンデの遺言」のレビューは書いてたんで、転記しとこう。

「ものの価値はだんだん下がるのに、それと引き換えにできるお金はほっとくと増える。これって変じゃない?」
って本。


上のカギカッコの中に対して
「そんなことないよ、だってそういうシステムじゃんか。」
と思ってしまったらもう頭が固い。
たかだかここ数百年にできたシステムなんだから。


ミヒャエル・エンデなめてました。
ファンタジーなおっさんかと思ってた。
モモはただのファンタジーで書いてるんじゃないんだって。


地域通貨って聞いたことあったけど、
ただのお金のかわりじゃなくて
こういう問題を解決する手段になり得るんだね。


人に借りた本だけど、読んでみて良かった。

出典:うさみの本棚(アカウント消しちゃったので、元のやつは今読めません)


この人はドイツ生まれで、
父親シュールレアリスムの画家で「退廃芸術家」と呼ばれた
・16歳で徴兵されて友達が戦死、80km歩いて逃げる
・反ナチスレジスタンス組織の伝令になる
・戦後演劇学校に入る
・32歳で処女作出版、児童文学賞を受賞
・43歳でモモ出版、二度目の児童文学賞


人によっては
「えっ?読書が趣味なのに読んでないの?」
くらいの有名書籍なんだろうなー。
読んでませんよ!




モモは面白い、という話を以前から聞いていた。
他の児童文学とは違って、大人になってから読むとまた一味違う本だと。
で、私はこどもの時に読んだことがなかった。
これはこれで。
幸せな読書時間でした。

ジェイン・マクゴニガルさんの「幸せな未来はゲームが作る」を読んで、読書感想文。

幸せな未来は「ゲーム」が創る

すべてのゲームに共通する4つの特徴は、
ゴールとルールとフィードバックシステムと自発的な参加です

みたいな文が序盤で出てきて、
KO!ですよ。
なんていいこと言うんだこの人。


僕たちは、仕事をしている時でも、家庭生活を送っている時でも、
他の何かをしている時でも、
この4つが当てはまればゲームのように楽しむことができる。


逆に、少し怖いことを書くけど、
誰かの楽しみを奪おうとする人は殴りつける必要なんてまったくなくて、
フィードバックを無くしたり、ゴールを無くすだけでいい。
僕はそんなこと絶対しないけどね!

こんな本でした。

「ゲームが大好きで心理学にも詳しくて
理屈っぽくて楽しいことが大好きなジェインさんが
大好きなものへの愛を語る」
みたいな本でした。


冒頭で紹介した文のような
「ゲームってこういうものだよ」という話とか、
「ゲームって今こんな感じになってるよ」
「よくできたゲームをプレイするのは自分の力を出し切れるから、
充実感を得られるんだよ」
みたいな話が序盤で出てきて、
その後は代替現実ゲームとかスーパーベターっていう
「現実をゲームのように楽しむ方法をいろいろ試してるよ」
っていう話に続きます。


実験を繰り返してるのが素晴らしいし、
この人はたぶん実験そのものをゲームのように楽しんでる。

こんな人に読んでほしい本でした

・ゲームが好き
・人間が好き
・今よりも日々を楽しみたいが、ゲームにたくさんの時間を使いたいわけではない
・今よりも日々を楽しみたいし、ゲームももっと楽しみたい
・今よりもっとひとを楽しませたい
・ほぼ日の 「わたし」を肯定する研究。- ほぼ日刊イトイ新聞 って記事を読んだ



今年は人におすすめされた本しか読まないようにしてるんですが、
この本はその中で「他の人にもおすすめしたい本でした。
分厚いから、流し読みでもいいのでぜひどうぞ!