うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

椎名誠さんの3匹のかいじゅうを読んで。

三匹のかいじゅう (集英社文庫)

僕には清水君というしばらく会っていない親友がいる。
清水君は騒がしい男で、
歩いてるか走ってるか怒ってるか笑ってるか寝てるか、みたいな、
座右の銘が「風林火山の林と山抜き」なんじゃないかと思うような人。


そんな清水君、実は読書家で、
まんがや雑誌と同じくらい「文字ばっかりの本」を持っていた。
一時期のブームが椎名誠さんの「あやしい探検隊シリーズ」だった。


それから、僕は椎名誠さんの私小説やら旅行記やらエッセイやらSF小説やらを読み倒すことになる。
その後、特に理由もなく突然ぱたりと読まなくなる。


そんな椎名誠さんがいまや祖父になっていて、
孫との関わりを元に私小説を書いていることを友達のブログで知って読んでみた。
とても面白かった。

どんな本?

祖父が孫を溺愛する私小説です。
読んだ人にとっては、椎名さんの私小説の続編。というと伝わると思う。


「愛が強い人から、その愛する対象についての話を聞くのは楽しい」
というのは、前から思ってることなんだけど、
この「孫愛」も読んでいて楽しい。


例えばアイドルが大好きでしょうがない人から、
その愛するアイドルの話を聞くのは楽しい。
仕事大好きな人の「サービスとは」みたいな話。
サッカー大好きな人から聞く好きなサッカー選手の話。
旅行好きな人の「いい旅の基準」の話。
ロック好きな人の「宇宙人にロックを説明するとしたらなにを聞かせるか」の話。
みんな楽しい。


自分の知らない世界があるのを感じる。
世の中にはいろんなものを愛している人がいて、
それぞれの対象に対してはとても雄弁になる。


あらすじとしては、
離れて暮らしていた息子一家が近所に引越してきて、
なんだかんだ孫の世話を見る機会が多くなる。
というお話。
著者の特徴としてサラっと読めて胃にももたれません。


「みんなでごはんを食べるシーン」が印象的。
椎名誠さんのどの本に関しても言えることだけど、
ごはんシーンが好き。

どんな人に読んで欲しい?

・孫との付き合い方がわからないけど、もうちょい絡みたい祖父母
・いつか孫を授かるかもしれない父母
・自分自身が孫で、祖父の視点を知りたい人
椎名誠さんファン
・時間があって、サラっと読めてもたれない本を読みたい
・手巻き寿司のある風景を文章で読みたい


こんなに長い期間読み続けられてる作家さんも珍しい。
ロールモデルがいないはずの「父」や「祖父」を本人がやってるのが楽しい。

三谷 宏治さんの戦略読書を読んで。読書感想文。

戦略読書


「本を読むときには考えて選びましょうねー
 手当たり次第に読んじゃうと、
 ビジネスやらなにやらに生きてこないですよー。」
という事を、実際にオススメの本とともに紹介してくれる本です。

どんな本なの?

子供のころSFとかいろんな本を読みまくってた人が、
その後社会人になっていろんなビジネス書を読んできた上で、
「こうやって本を読むといいんじゃない?」
とまとめてみた。
という本です。読書法。


おもしろかったのが、
「社会人になりたての頃から数年間で、こうやって本を読むと、
 基礎から応用まで知識が身について、
 かつ、こんなところを気にすると他人にできない発想ができる人になるよ!」
というのを、「読書ポートフォリオ」というもので説明してくれるところ。


社会人1年めはまずこれこれこの本を読んで、基礎を身につけなさい。
2年めになったらこんな本を読んで、基礎の上に骨組みを作りなさい。
3年めを過ぎたら、同僚が読んでないはずのちょっと変わったこんな本を読んで少し違う視点のものの見方もできるようになりなさい。
という流れでまとめてくれています。


こういう書籍を紹介する本というのは、
ジャンル別で説明してたり、
著者の関連順やら時系列やらで説明してたりするんです。
でもそれって、読み手の都合を考えてない話。


栄養バランスとか、ダイエットみたいだよね。
基礎代謝を上げるために筋肉をつけようぜーとか、
高くジャンプできるようになりたければどんなトレーニングしようぜーとか。


そうそう、ちなみに私は本を選ぶときに、
最近読んだ本のバランスを考えるようにしています。
知識の栄養バランス。


もちろん、甘いものばっかり食べちゃうみたいに
好きな本ばっかり読んじゃうときもあるけど。
その後には帳尻を合わせるように、
地味だけど知恵が身につく本を読んだりする。
気分転換にもなるし、そういう読み方のほうが
内容がちゃんと入ってくると思う。


そして、この人も書いてるけど、
幅広く読むと、まったく関係ないような話を読んでるときに、
他のポイントでの気づきがあるんです。
そうなってくると面白い。

こんな人に読んで欲しい本でした

・社会人として成長したい
・ビジネス書とか、ちょっと読んだほうがいいかなーと思うけど
 何から読んだらいいのかわからない
・いろんな人に会うにはお金がないが
 本を買うお金はある
 (あるいは近所に図書館がある)
・ビジネス書とかにはぜんっぜん興味無いけど、
 SFとかストーリーものとかの面白い本が読みたい
・とにかく本をオススメしまくってる本が読みたい

夏の検索キーワードコレクション。読書感想文ブログを書くとなぜか「小中学生に8月だけ見られる」ことが判明した夏。

良い子のみなさん、こんにちは。こちらは、
うさみ日記とか
うさみ本棚といった
ブログを書いているうさみこと宇佐見直人です。



「小中学生の皆さんが、夏だけ」


このブログを見に来てくれたっぽいのです。
なぜでしょう。不思議ですね。
「小中学生の皆さんが、夏だけ」


38歳のおじさんのブログを、
小中学生が「夏だけ」見に来ていたようなのです。
「小中学生の皆さんが、夏だけ」


・・・


さて、それではこの夏、
秀逸だった検索キーワードを見てみましょう
(注:実際にYahoo!とかGoogleで検索されたキーワードです)。



まずこれ

15少年漂流記 感想文 丸写し

おおおおお!
はいコレ!ド直球!
いよっ!未来の大谷翔平


ちなみにこの感想文には
「え、ちょ?何? ドッキリ?
 岸、遠くない!?
 ドッキリ!?」
みたいなことが書いてあるんですが、
本当に丸写ししたのか気になるところです。
先生が笑ってくれるとうれしいな。




はい、次ー

火花 感想文400字以内
聖の青春 読書感想文 1800文字

文字数指定!
そんなの気にしないで書いちゃったよもー。
先に言っといてくれれば文字数も気にして書いたのにー。


ってアホカー!ボケナスカー
「この記事の文字数は1,800文字です」
とか書いたこと無いわ。
なにたどり着いとんねん。




はい、次ー

モモ 読書感想文 選んだ理由
モモ読書感想文読もうと思ったきっかけを教えて下さい

んー?どんな答えを期待して見にきちゃったかなー?
残念だなー選んだ理由は確か書いてないなー。
ご期待に添えず申し訳ない。
…なわけあるかー!


読もうと思ったきっかけって、
「おもしろそうだから」くらいじゃないの?
つかもう
「課題図書だったもんで」とか
「本屋に平積みされてたから」とか
「お母さんor友達が面白いって言ってた」とか
「名作との誉れ高かったから」とか
てきとーに書いとこうよそこは!




はい、次ー

じゅうごしょうねんひょうりゅうき 感想文


さとしのせいしゅん 読書感想文 書く方法

ねえ、
「感想文」とか「読書感想文」を変換したんだから、
本のタイトルも変換してやってよ。
おじさんからのお願い。
確かに
「さとし」は「聖」とは変換されにくいけど、
google日本語変換かなんかだと変換されるよちゃんと!


あとね「読書感想文 書く方法」ってね、
教えてあげようか?
本を読んで、それから、感想を、書こうね。



はい、次ー

聡の青春を読んでの感想文

名前違う!
聖! 聖と書いてさとしって読むの。
そっちの聡だとこの前結婚した俳優か、
ヤンキー青春漫画界の巨匠になっちゃうから。




はい、次ー

きよしの青春

惜しい!
でもちゃんと検索できてる!
グーグルさんは人類を甘やかし過ぎだと思うのよ!




はい、次ー

十五少年漂流記 読書感想文 10歳児
十五少年漂流記 読書感想文 中学生

もしもしこちら38歳のおじさんです!
難しい漢字とか使わないで書けばよかったんですかー!?
もしもし?もしもしもしもーし!?


しかも「10歳児」ってのが、
10歳児が検索したのか、
第三者が検索したのか、
非常に興味深い!




はい、次ー

じゅうご少年漂流記読書感想文 低学年 ウミガメ

なんでウミガメ検索した!?
「漂流×ウミガメ=食われちゃう」
に決まってんじゃん!




はい、次ー

中学三年 読書感想文モデル

モデル!
言葉はかっこいいけどやろうとしてることパクリじゃんかお前!
書け!読んで書け!




はい、次ー

さとしのせいしゅん 読書感想文 書く方法

書け!読んで書け!


ああもう、
はいみんなちゅうもーく!
先生これからー
読書感想文を書く方法を教えまーす!
いいかーみんなー、よく聞いてー!
読め!読んで書け!




はい、次ー

読書感想文 パクリ 聖の青春

パクリ!また来たド直球!
読め!書け!読んで書け!






次!

十五少年漂流記 読書感想文 例
ハーモニー 読書感想文 ポイント

なにを「パクるつもりじゃない風」にしてんの!
読め!読んで書け!






次!!

読書感想文 火花 読まない


Oh my...!




読まっ...!




てめえらの、


てめえらの血はなに色だーっ!!


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次!!!

料理本 読書感想文

オイオイ料理本で読書感想文なんて書けるかよー
と思ったら、おれ、書いてた!
「10皿でわかるフランス料理」を読んで。読書感想文。 - うさみ本棚




次!最後!

池尻大橋 蕎麦 火花

あ、それあそこですよ花しずく。
うん。


こないだ目の前通ったけど、
他のお店がどんどん変わっていく中で、
安定感あるよね。龍の子とかこことか。
派手さのない安定感。



ってそんなんRettyでも見てくださいよ!
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さて、先生今回はねー、
このブログには珍しいことに、自分で読んでない本をみんなにオススメするよ。
この二冊のどっちかを買って読んでください。
来年の夏までに!!
これは先生とみんなとのやーくーそーくー!!

だれでも書ける最高の読書感想文 (角川文庫)

だれでも書ける最高の読書感想文 (角川文庫)

ダグラス・アダムスの銀河ヒッチハイクガイドを読んで。

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

あと12分で地球が終わるとしたら何する?
何をするだろう。ビール飲むかな。




死者数ランキングで言うとかなり上位に入るような小説なんだけど、
ブラックなユーモアはあってもグロい描写はほぼ皆無。
当時イギリスに住んでたらより笑えるのであろう
「労働者の皮肉」みたいなものもちらほら。



どんな本?

うんとねー、
お家がブルドーザーで壊されそうになってー、
そのあとねー、地球がなくなってねー、
でねー、宇宙船から追い出されてまた拾われて変な動物になってまた戻ってー、
地球を作る工場に行ってねー、
ネズミとイルカがすごい頭いいの。




はい。
荒唐無稽支離滅裂なストーリー。
5歳か!とつっこみたくなりますね。




皮肉に笑わせながら驚かせることを目的に書いたような小説。
スラップスティックSFです。
伏線なんて回収しないし、
ミサイルなんて植木鉢とマッコウクジラになっちゃう。




死にかけて「ああ、運が良かった」みたいなことが連発。
しかもその一命を取り留める前の章の最後で
「大丈夫、主人公たちはこのあと打撲1名くらいで死なないから」
みたいな解説も入る。
なかなかないですセルフネタバレ小説。




主要登場人物もかなりキャラ立ってます。
明らかにうつ病の超知性人工知能ロボットとかも出てくる。




ちなみに、
主人公は地味。




1978年にイギリスで放送されたラジオドラマを、
その脚本家が小説にした、という一冊。
イギリス人的悪ノリ、ここに極まる。という作品です。




古典SFベスト10には入らないけど、ベスト100なら入るくらいの名作です。



こんな人に読んで欲しい本でした。

Googleで「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」って検索したことがあるけど、まだこの本を読んでない
・登場人物が少ない小説が好き
・超兵器が云々とか銀河帝国とか科学的可能性が云々とかはさておき、変な話が読みたい
・人生には娯楽が必要だと思う
・人生は時に不可解だし、努力をしても叶わないこともあれば、努力してなくても得られちゃうものもあると思う
・今まで覚えた全部でたらめだったらおもしろいと思う

ザ・セカンド・マシン・エイジ。エリク・ブリニョルフソン (著), アンドリュー・マカフィー (著), 村井章子 (翻訳)を読んで。これからの仕事ってどうなるのかしらねー、とか思ったんだよねーって話。

機械との競争
という本を書いた2人が、その2年後に書いた本。


前回が
「機械との競争」なら、この本は
「機械との共存」と言っていい本。


ザ・セカンド・マシン・エイジ

ザ・セカンド・マシン・エイジ


どんな本?

「序文に代えて」が

人間は馬と同じ運命をたどるのか?

っていう文章から始まります。
蒸気機関ができる前は、馬が馬車をひいていたのに、
蒸気機関や内燃機関が世界中の馬の数をぐんと減らした。


「人間、いらなくなっちゃいまーす
 仕事なくなっておまんま食い上げになりますよー」
って言われたら、どうする?


ホーキング博士イーロン・マスクも同じようなことを
言ってますよね。ヤバイよヤバイよって。
そっちは仕事だけの話じゃなくて、
人類の種としての存続が、みたいなとこまで含めた話だけども。


ちなみにこの本のテーマが「セカンドマシンエイジ」なら「ファーストマシンエイジ」はなんだったの?
というと、18世紀の産業革命で「動力」を機械から得るようになった時代。
そして「セカンド」はコンピューター→人工知能の発展による
「制御」の革命だよ。
あるいは、機械が今ある人間の仕事をできるようになるよ。


んで、機械が仕事するとそのうち、
人間よりコストが安くなるのは目に見えてるし、
そうすると、その変化によって仕事を無くす人がでるよね。


「制御する機械を制御する人」というか、
イケてる経営者さんなんかはコストが減って収入が増えることになるし、
「機械と競合する人」はだんだん仕事がなくなる。
このままだと今よりもさらに富が集中して格差が広がるぞ。こわいでしょ?って。
みたいなことが書いてある本です。


さて、とはいえ希望も書いてくれてます。
「共存」
ですよ。


どのへんが「共存」なのかというと、
例えば「コンピューターがチェスのチャンピオンを破った」というニュースがあったけど、
その後「コンピューターと人間がタッグを組んで別のチームと戦う」というイベントがあるんです。
んで、ある時そこで優勝したのが、チェスのグランドマスターと最強のスーパーコンピューターの最強ペアでは無くて、
アマチュアのチェス愛好家と3台のパソコンなんだって。


これはとても面白いエピソードで、
人間とコンピューターのいいとこ取りが一番上手いチームが勝ったんだよね。
先を読むのはコンピューターのほうが優れてるけど
「どんな傾向で先読みすべきか」みたいなひらめきを
人間が提供した、と。


悟空とベジータコンビじゃなくて、
ヤムチャ様とプーアルが優勝しちゃった!みたいな話。
ちょっとちがうな。
じゃあキャノンボール2でのリチャード・キールジャッキー・チェンチームが優勝!みたいな。
これはかなり違うな。
クリリン人造人間18号ペアが悟空×ベジータコンビに勝つ!みたいな話!
と思ったらそれは人工知能ではなくて人造人間だそうで…。


これはちょっと人間さんチームにも生き残りの道が見えて来たかしら?
これからいろいろあると思うけど、50年くらいは死なずにこのへんの進歩を見たいわ。

こんな人におすすめしたい本でした。

・これからの世の中を予想、想像、妄想するのが楽しい
・世界経済の2極化はもはや止められない話だと思う
・ピケティを別な視点から反芻したい
人工知能やテクノロジーの進歩に興味がある
・最先端テクノロジーについて少しでも詳しくなって一円でも多く儲けたい
・SFが好き
・「好きな人工知能」を考えたことがある
アンドロイドは電気羊の夢を見るかもしれないと思う
・電源が取れて炊飯できるロボットがいたらステキだと思う
・理由あってそこそこ厚い本を探している




ああ、良い読書だった。

燃えよ剣を久々に読んだらちょっとたのしかったのよー。という読書感想文。

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)
燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)

花火をスーパースローで撮影したみたいな物語なんですよ。


むかーしむかしあるところに土方歳三さんという人がいて、
その人の半生を描いた小説。
青年期から30代半ばでなくなるまでの20年間くらい。


時代の移ろいと共に 敵も味方もばったばったと切り倒す。
多摩で、江戸で、京都で、甲府で、宇都宮で、函館で、
あっちゃこっちゃで斬り倒す。
ばったばったと斬り倒す。


超怖いのに、
時々チラッと人間味がある主人公と、
個性的で主人公と引き立てあう主人公。
かっけーっす。

どんな本?

ざっくり3パートくらいに分かれてて、
一つは新選組以前の多摩か江戸にいる時期。
次が京都で新選組副長として
ばったばったと敵味方を切り倒す時期。
最後は幕府が大政奉還した後の
甲州→流山→宇都宮→会津→仙台→函館と
転戦していく時期。


それぞれがそれぞれに面白い。


幕末ものってやっぱり面白いなー、と思うのは、
・刀と銃
・日本と外国
徳川幕府と諸藩
・地方の上士と郷士
・海軍と陸軍
・武士と軍人
・組織のトップとナンバーツー
みたいな、いろんな対立関係や比較があるからかもしれないね。


書き方の特徴としては
・客観的で心理描写が少ない
・とにかく人が死ぬが、さっぱり死ぬ
 ぐえーもぎえーもなし
・やってることは陰険なのに爽やか
・戦闘シーンもドライめ
・著者の主人公愛がどう見ても強すぎるほど強い


そうそう。
主人公愛が強めです。
「土方LOVE!」と言わんばかり。
とにかくべらぼうな強さとか、頭のキレの良さとか、モテっぷりとかね。
盛り盛りです。チート的強さ。


そのくせ、
この時期の司馬遼太郎先生は
竜馬がゆく」も書いてるはずというのがスゴイ
項羽と劉邦」「劉備曹操」「マリオとクッパ
ヨーダパルパティーン
のそれぞれを主人公にした全く別の小説を
同じ時期に書くようなもんなんですよ


剣道部の土方センパイが主役の小説と、
ボート部の坂本センパイが主役の小説を、
同時期に器用にかき分ける新聞部の司馬くん。
みたいな状態です。
しかもどっちのファンからも好かれてる。
すごいぜ司馬くん。

こんな人に読んで欲しい本でした

・幕末ものが好きな人(は、多分もう読んでる)
・組織のナンバー2的ポジションが実はいいなー、と思っている人
 (トップは飾りで実権は自分が握りたい人)
歴史小説の最初の一冊を何にしようか悩んでる
司馬遼太郎を読んでみたいけど何から読もうか迷ってる
 (上下巻で終わるからね)


ということで、
まだなら読もう、燃えよ剣

ジュール・ヴェルヌの十五少年漂流記を読んで、読書感想文。クリーンな漂流記だったなー。

先日沖縄に行ったんですが、水族館でウミガメを見るたびに
「ああ、漂流モノの小説でおいしく食べられちゃうウミガメだなぁ」
と思っていた私ですこんばんは。


十五少年漂流記はジュール・ヴェルヌによって書かれ1888年に出版された小説です。
今から128年前。日本は明治21年。
日本初のコーヒー店ができたのがこの年だったらしいよ。

こんな本でした

8歳から14歳の15人の少年と犬一匹を乗せた帆船が、
気づいたらプーカプーカと流されていた。
なんとか海岸に漂着したものの、
ここがどこかもわからない。


なんとか生き延びて、
お家に帰りたいなー。
というお話。


「え、ちょ?何?ドッキリ?
 ドッキリ!?
 ガチ!?
 ガチとか!?うっわ!
 っちょ!!


 ちょ…」
みたいなお話ですね。


動物を殺すシーンとか、
排泄系エピソードとかがキレイに取り除かれていて、
子どもも安心して読めるあたりはさすがジュール・ヴェルヌ
あ、でも終盤のドーン!みたいなやつはアレだけども。


この人の作品にしてはSF感が少ないのも特徴です。
地底やら海底やら月やら行っちゃう人にしては。



ちなみに、ヴェルヌの名言として知られる
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」
は、後の捏造じゃないの?という説もあるらしい。
へー。

こんな人に読んで欲しい本でした。

・夏休みの少年!
・夏休みの少年のお父さん
・夏休みでもなければ少年でもない老若男女のうち、冒険心を忘れてない人
・南の島で静かに暮らしたい人
・漂流経験がある人


小学生か中学生のころに一度読んでいて再読。


前半は、
「ああ、そうそう、こんな話だよね。
 ノンフィクションの南極海漂流モノとかも読んだ俺にはスリルの一つもないぜ」
と思ってたけど、後半に入ってからは
「あれ?こんな話だっけ?
 うお、うおー、うぉぉぉおお!」
という状態になった。


またこの文庫版の表紙イラストが最高に好き。
十五少年漂流記 (新潮文庫)



いやー、楽しいわ。楽しい。ジュール・ヴェルヌ大好き。