うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年を読んで。読書感想文。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)
いいアルバムだけど、一番好きなアルバムではない、
みたいなことってあるじゃない?
超好きなアーティストだけど、新譜を聴いたらうーん、なんか物足りない、
と思うようなこと。


あるいは大好きな牛丼屋さんにいつもと違う時間に入ったら、
うーん、おいしいけどなんかいつもと違う。
と思うようなことって。


そんな感じの小説だったんですよ。


いや、むちゃくちゃおもしろいんですよ。
普通に考えたらむちゃくちゃおもしろい。
ただ、いままでのがおもしろ過ぎたから、
麻痺してしまってこれがもうふつうに感じるんですよ。
きっとね。


これを無名の新人が出したとしたら、
おー!すっげー人きたわー!他のも片っ端から読まなきゃー!
と思うか、
「おや?村上春樹氏のフォロワーさんかしら?」
って思うと思うんだよね。
だって、昭和の村上春樹とそっくりだもの。


時代に合わせて云々とかじゃなくてね、
前作よりも面白いものを読みたいじゃないですか。
一皮もニ皮も向けたような本が読みたい。
前よりも面白いものが読みたい。


カズオ・イシグロさんの
わたしたちが孤児だったころ
を読んだときの気持ちに近い。
もっともっと面白い本が読みたいだけなのよ。

どんな本ですか?

仲良し五人組からはじき出された人が、
痩せるほど悩んで、
そのあと真相がわかる、みたいな話です。

こんな人に読んでほしい本でした

村上春樹ファン
村上春樹の小説を一冊も読んだことがない人