うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

佐藤尚之さんの「ファンベース ー 支持され、愛され、長く売れ続けるために」を読んで。読書感想文。

ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)

私、ここ数ヶ月で何冊かコミュニティマーケティングやらなにやらの本を読んだんですよ。
きっかけは今の会社に転職してからDMS Cubeという HULFTとDataSpiderのユーザーコミュニティの運営に関わるようになったことなのだけど、
それはまた別のお話。


仕事でもあるし、データ連携・自動化界隈と、コミュニティマーケティング界隈には最近深く興味があって、
本読んでるの楽しい。


んで、以下わたくしごとですが、
コミュニティマーケティングというか、そもそもコミュニティとか、
「なにかのファンになること」とか「ファンのコミュニティができること」ってなんだろ?
というような話にそもそも興味があったんですよ。


高校、大学、社会人数年まで大の音楽好きで、
一日一曲っていうブログを書き始めて一日一曲レビューを書いたり、
楽器の練習のために異様に長い時間を費やしたりしていた。

なんなら寝て起きて気づいたらお腹に楽器が乗ってたこともある。


で、ブログがきっかけで友だちが増えたり、
バンドきっかけで仲良くなった人となんならお付き合いしたりもした。
音楽と触れていなければ友だちの人数は少なかったろうし、
その後の自分の性格もがらーんとかわっていたと思う。


濃い人とのつながりが新たにできることが楽しいし、その人の近況が知れることもうれしい。
趣味はなんですか?と聞かれたら、無難に「読書、音楽、料理」と答えているが、

実は「濃い人を見て、うっわなにこの人こんな人見たことない。って言うこと。」が趣味かもしれない。

 

さておき


スマホが世に誕生したり、mixiが流行りだした頃から、人と人の関係はさらに変わったと感じている。
いつでも誰かとつながっているような状況。
気づいたら濃い友だちになっている加速感
(このスピードはその後コロナの影響で落ちることになるのだけど)。


そんなバックグラウンドや思いのある自分がこの「ファンベース」という本を読むと、共感できる部分がたくさんありました。


あれ?これ読書感想文になってなくない?
ここから、ここからやっと読書感想文です。
はい。佐藤尚之さんのファンベースの話をします。


**どんな本ですか?
ファン、すなわち自社や自社の製品やサービスを愛してくれる人を、
ベース、すなわち土台になるように商売すると、
支持され、愛され、長く売れ続けるよ。
というお話です。


んなこたぁない、とつっこみが入りそうですが
・2:8の法則的に2割のファンが8割の売上を上げる
・今の世の中ファンは昔より大事になってる
・ファンはファンを増やす
からです。
と、こちらの佐藤さんはおっしゃってらっしゃいます。


2個目の「ファンは昔より大事」は面白くて
「人が減ってるのに、売るものや情報は増えてる」
というのがポイント。
5人しか住んでない島にスマホ10種類売りにいく?的なお話。
お金があってもたぶん10機種全ては売れないよね。


じゃあファンを増やして支持を強くするにはどうしたらよいでしょう?というと、
・傾聴し、ファンであることに自信を持ってもらって、ファンをファン以外よりも優先し「共感」してもらう
・商品にストーリーをもたせ、接点を大事にし、ファンを参加させて「愛着」を強くし
・誠実に、丁寧に、「信頼」を強くし


という三つをやり、
さらにその三つを強化して、
・共感→熱狂
・愛着→無二
・信頼→応援
と、より濃いファンになってもらってLTV(Life Time Value=顧客の生涯価値)を高めよう。
という話です。


不特定多数に自信のないものを売るよりも、
ファンに、ファンが喜んでくれるものを売り続けられる関係ができた方がいいもんね。
いいものを作っても真似されてしまう世の中で、
他所と差をつけるならこれっていい方法。


この本には上記のような概念と、
本当にいろいろな企業の事例がたくさん散りばめてあって、
学ぶところも多いし
読み物としても面白いです。


「じゃあ、ファンを作るために何をどれだけすればいいの?」
という答えはこの本にはないし、
それはおそらく企業や売っているものによってまちまちなんだと思う。
でも「商品力や営業力を上げる以外にも、なにかできることがあるんじゃないかしら?」
と思ったら、手に取る価値のある本だと思う。


んで、私たちって何かを売ったりするのと同時に、
何かを買う消費者でもあるわけじゃないっすか。
世の中の売る側の人はこういう風なことを最近気にしてるよ、
っていうのは、買う側の人は学んでおいてもいいと思うんだよねー。


**こんな人におすすめしたいほんでした
・まだこれ読んでない、というコミュニティマネージャーさん
・マーケ、カスタマーサクセス、営業的なお仕事をしているみなさん
・「お客さんの声?聞いたことないわ」という人びと
・自分がなにかの製品やサービスのファンで、裏返して見てみたい人

 

野尻抱介さんの「南極点のピアピア動画」を読んで。読書感想文。

南極点のピアピア動画

読み終えて人に勧めまくった。良書も良書。
良い読書でした。
2021年読書ランキングの上位に入っている
(記事を書いたのは2022年なんですが、読んだのは2021です)
ニコニコ動画
・ピアツーピア通信
・3Dプリンター
・AI
・自動複製
・ボカロ
コンビニエンスストア
・宇宙開発ベンチャー
・ものづくりベンチャー
・ラブコメ
あたりの要素をドロドロに煮込んで煮詰めてストーリーの軸を通して固めてから大爆発させて「宇宙!」みたいな味付けしたようなお話。


私、未来予測の本とか好きなんですね。
2030年とか2060年とか、いろいろありますよね。
カクミチオさんの本とか、「インターネットの次に来るもの」とか。
ああいうの好きなんです。


で、この南極点のピアピア動画は、
それらの本にありがちな、未来の風景のショートストーリーを超おもしろくしちゃったような話です。
これぞサイエンスフィクション。
こんな未来になればいいと思う。


やはりね、SFって、
科学技術を要素として上手に使って作られる、
人間あるいは人間みたいな意志のある何者かのドラマだと思うんですよ。
主役はあくまでも人(あるいは人っぽい何者か)。

感情の動きや、未体験のものに対する理解、ストーリー。


喜怒哀楽もあれば、
恋もすれば、
何かにハマることもある。
色々な感情がある。
そんな感情をもりもり盛り込んだ素晴らしいストーリーです。


**どんな本でした?
SFって、自分の生きている時代を背景にするか、
全く遠くて自分がいる場所と連続性がないような時代を背景にするかで話がだいぶ変わるかな、と思うんですね。


今と遠く離すと自由度が高くなるけど、
今に近くすると自由度は減るもののリアリティが増す。


南極点のピアピア動画は、
今を基点にしつつ、
いくつかの変化が起きた後の未来の話なので、
身近なのに自由度が高い。


身近だから共感できちゃうし、
自由だから楽しい^_^


なんというか、民放っぽくない作りといったらよいのでしょうか。
地方局のテレビ番組、なんならラジオドラマかと思うほどの荒唐無稽さなんすよ。


この本の読後感を一言でまとめると、「赤面する感じ」と言えるかもしれない。
赤面にはいい赤面と悪い赤面があって、
この本がもたらしてくれるのはいい赤面です。


気負わず、臆せず、これを書いて発表した著者さんに大きく感謝したい。
私が映画監督ならおそらく映像化してるくらい好き!


**どんな人におすすめしたい本でした?
・SFが好き!でもまだこの本を読んでない人
・今後自分が死ぬまでに世の中がどう変わったら楽しいな、とか妄想するのが楽しい人
3Dプリンターとか興味あるー、という人
・SF?なんかマニアっぽいやつ?んー、読む?という人
・あえてSFアレルギーの人
・あえてオタクっぽいものアレルギーの人

・映像化したいものが見つからない映画監督

田中泰延さんの「読みたいことを、書けばいい。」を読んで。

読みたいことを、書けばいい。

「自分が読みたいことを書けば、自分が楽しい。」
という言葉がですねー。
突き刺さりますよねー。
幸せってなんだっけ、ですよ。


売れる文章でもなく、人を変える文章でもなく、伝わる文章でもなく、
目指すべきは「自分が読みたいことを書いているか」という視点ですよ。と。
その結果、共感したり影響を受けたりした人が買うし変わるんだよね。


わかるー。


前々から「面白い本」「人を変えちゃうような本」を書いた人って、
「面白い人」だろうし、「人を変えちゃうような人」なんだろうなー、と思っている。
面白い人は即興でも面白いし、練りに練った本もおもしろいよねそりゃ。


その前提がある上で、もし人にも読まれる文章にしたいなら、なにが必要か、というところも教えてくれます。


下調べがしっかりしてあることが、
大事なこととして紹介されています。
図書館の活用方法の話も紹介されていて、
これはぜひやってみたいと思った。
そうそう、幸い国立国会図書館に近い職場に転職したし、行って興味があることを調べてみようかしら。


自分が聴きたい音楽が世の中に無いから音楽を作ってる、みたいなことを言ってたミュージシャンがいたと思うんだけど、誰だったかしら。


**どんな本ですか?
元CMプランナーで色々なところに文章を書いていた著者が、
とある編集者から「世の中に正直な書き手が増えること。を実現したい。」と言われて書いた本です。


「正直な書き手」ってなんだ?と思った。


本当に思っていないことを書くとか、
借りてきた言葉を使わないとか、
対象に愛がないのに紹介するとか。
そんなのが正直じゃない書き手だそうです。


おお、これはイイ話。


私最近コミュニティとかコミュニティマーケティングに関わってるんですが、
そこでまず大事なことって、コミュニティ参加者が対象に抱いている愛だと思うんです。


わたくしごとで言うと、
Pardotが好きで、
DataSpiderってツールが好きで、
どうやら商売に使うか使わないかを問わず人と人とのつながりすなわちコミュニティが好きなんだな。


ツールに関しては世の中なんでみんな使ってないの?使った方が幸せじゃん、とか、
何か困ったら人に聞けるような世の中って最高じゃん、なんでみんなそっち目指して行かないの?
Too shy shy boyかよ、と思っている。


何かを愛している人って、基本おもろいのよ。
で、その愛が溢れた本や文章ってこれまた面白い。
あ、愛か執着かもね。


前に読んだ野中郁次郎さんの米軍海兵隊の研究本とか、
超面白かったもんね。
あと稲田俊輔さんの外食系の本とか。
サイゼリヤの話でいつまでも語れる人が濃縮して書いた文章だもの。おもしろい。

 

愛しているからこそ人より深く調べるし、
人より詳しくなる。
ポケモン好きな人からポケモンの話を聞くのは楽しい。
阪神タイガースが本当に好きな人からタイガースの話を聞くのは本当に楽しい(これは私がどこか特定の野球チームの応援をしてないからだろうけど。)


まあ、愛の強さも相対的なものだよなー、とも思う。
でも、より愛が強い人のほうが面白い文章を書けるかというと、
そうは限らないんだけども。


私自身としては、
愛する対象のことを自分の好きなようにこの先も書こうと思っているし、
愛する対象のモノヒトコトを世に広めていきたいと思っているし、
家庭料理人として、自分が食べたい料理をこれからも作っていきたいと思う。


そうそう、食べたいものを作ればいいのよねきっと。
自分が食いたくもない料理なんて作りたくないぜ。
自分や家族に作るにしても、他人に作って商売するにしても。


**どんな人に読んでほしい本ですか?
・自分が好きなものの話を文章にしたい人
・「なんであの人の文章はおもしろいのだろう」と思ったことがある人
・「ひろのぶと株式会社」から書籍デビューしたいぜ!という人
・なんで自分の文章がつまらないかわからない人

生命科学的思考を読んで。読書感想文。

生命科学的思考
ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考 (NewsPicksパブリッシング)

なんにしたって「前提」ってもんがあるじゃないですか。
人は死ぬとか、
水のまないと喉が渇くとか、
寝ないと眠くなるとか。


前提って人間みんなたいして変わらないのに、
人によってそれにずれがあるんですよね。
ルールとはまた別な、それぞれが持っている前提。
育ってきた環境が違うから。


んで、この高橋さんがおっしゃっているのは、
「人間も生き物であって、生き物っていうのはこういうものだから、
 そこを踏まえて生きるとイイ感じじゃない?」
ということなんです。

人間として、の前に、生き物だよね、と。
生物だもの、と。
進化してきて今がある。

んで、さらにその先に
「人間て本能だけで生きてないよね、
 じゃあ本来の生き物としての方向性を踏まえたうえでどう生きるかじゃない?」
と。

どんな本ですか?

各章のサブタイトルを引用すると、イイ感じの要約が見えてきます
第一章:客観的にとらえる
第二章:主観を活かす
第三章:個人への応用
第四章:経営・ビジネスへの応用
第五章:(サブタイトル無し)

はい。
遺伝子に関わる事業をやっている経営者さんの本ですよね。
「前提があるけど、そこをこう活かしていくといいんじゃない?」
という本なのです。

生命としての前提を客観的にとらえて、
その上で、主観を活かして生きていく道を探して、
一生の中で成したいことを成すために個人=自分に応用して、
ビジネスにも応用しようぜ。と。


調査・分析なのかと思ったら、
途中で強い主張が出てくるのです。
139ページ。第三章第6節
「命を失うことと、命を燃やすことの違い」


布袋寅泰さんも「命は燃やし尽くすためのもの」と歌い上げていますね。
知らんがな。


生き物はちょっとでも種と個体を長生きさせようとするんだけど、
時々イレギュラーなことをするやつが現れて、
それが結果として種の寿命を延ばす。
それなら、「個」がのんべんだらりと生きるのと、
命を燃やし続けた種の違いがあるよねー。と。


で、最後の第五章は、ゲノム編集の話をして終わっていきます。
わかってきたけど、まだまだわからない。と。
ああ、命って不思議ね。

こんな人に読んでほしい本でした。

・ゲノムとか遺伝子とかに興味がある
・世界の前提を知りたい
・布袋ファン

会って、話すこと。を読んで。読書感想文。

会って、話すこと。――自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術
いい出会いって人を変えるよな、と思うんすよね。
価値観が変わるような出来事。


人でも企業でも本でもゲームでも、
建物でも自然でも乗り物でも趣味の何かでもいいんだけど、
ある人がそれと出会ったことによって、
その後の人生変わっちゃうような出会い。


寝ても覚めてもそのことを考えるようになったり、
頭の中でロックンロールが鳴りやまなくなったり、
それまでにはなかったようなお金の使い方をするようになったり、
その後の行動を変えるような出会い。


たいてい最初は合理的じゃない場合がほとんど。
その結果大成する人もたまーにいるけど、
そのせいで人によっては身を滅ぼしたりもする。
こういうことが起きるのが、人の面白いところだと思うんです。


んで、出会った相手を完全に変えないまでも、
その後の行動を変えるような人っていうのが影響力のある人なんだろうし、
その後の行動を変えるような本っていうのが影響力のある本なんだろうね。
と思うんです。
そう考えると、今日のこの本は影響力がある本です。


だって私、この本きっかけでうっすら知り合いくらいの人と、
twitterのスペースで二時間くらいお話ししたもの。
しかもその日、著者の田中さんと編集者の今野さんも入ってきてくださって、
たいへん楽しかった。


この本は、コミュニケーション手法とか会話術の本、
っぽいまとめ方をされていますが、
自分以外との向き合い方をまとめてある本です。
「会って、話すこと。」というシンプルなタイトルだけども。
必要十分不足無しのいいタイトル。


タイトルのわかりやすさを裏切らず、
中身もスッと染み込むわかりやすさと説得力。
小手先のテクニックの話じゃなく、その手前の「姿勢」みたいな話。
例えば『日常会話において「ツッコミ」は不要なのだ。』です。


人の動きをよどませずに流れを加速させよう、と。
その結果、川の流れがはやくなるように、水の量が増えていくように、
大きな会話の流れがお互いを幸せにするよね、という話。
ああ、会話の流れのように。
目的達成のためじゃなく、会話で機嫌がよくなれば幸せじゃないか、と。


私は最近、仕事でもコミュニティに関わることが増えて、
「目的達成のための手段としてのコミュケーションのことと、
 コミュニケーションそのものが目的であること」
みたいなことを考えるんです。その二つの割合とか。


ほんとにシリアスな会議とかだと、
そこでされる話は何かの目的達成のためのものだけど、
お互いを知り、結果を大きくするためには思ったことをちゃんと言い合える、
いわゆる心理的安全性がある状況のほうがいい。


となると、その手前の日常会話の段階でも
「いざという時に言うべきことを言える状況」
になっておくのがいいんですよね。
むしろそんな関係をいかに増やせるか、という話があるんだなー。
ああ人生、先は長いぜ。

どんな本なの?

読むと、
「そういう大事なことはもっと早く言ってよ!」
と思うような本です。


私、ダライ・ラマ14世さんの
抱く言葉っていう本の中に出てくる
「人生の目的は、幸せになることです。」
っていう言葉が好きなんです。



この「会って、話すこと。」は、
私にとって、その延長線上にあるような本。
どう幸せに生きるか、を考えるのによい。
世捨て人にならない限りはこの先も誰かと会って話すしね。


で、内容についてもざっくり書くと
・日常会話にツッコミは不要
・自分も相手もお互いに相手に興味はない
・自分のことや相手のことでなく、互いの外部のことを話そう
・会話には結論はいらない
・機嫌よく生きること
・相手との距離の取り方
といったようなことが書いてある本です。


私はとてもとても共感しまして、
「よく言った!」って感じ。
よくぞまとめてくださった。
機嫌がよくなるコミュニケーション方法なんだよね。
心を整える会話。
会話自体は整ってなくても全然OKだけど、


ためになるコラム的文章と、
著者田中さんと編集者今野さんの会話の部分からできていて、
さくさくとたいへん読みやすく、かつ、ためになる本でした。

こんな人におすすめしたい本でした

・人と話すのが好きな人
・人と話すのがめんどくさい人
・着地点がない会話に不安を感じる人
・本音の本が読みたい人


この本を知ったきっかけは、
うっすら知り合い?twitterフォロー/フォロワー同士?同じ職種の異業種の人?
みたいな、伊藤さんかねこさんというお二人が
twitter上でこの本がすごくいい!という話をされていて、
なんなーん読まなきゃー、と思ったことでした。


会話きっかけで会話の本を読んでその後twitterのスペースで会話する、
みたいな会話にまみれた出来事でした。
たいへん楽しい。

中藤怜さんの安いニッポン 「価格が示す停滞」を読んで。読書感想文。

ああ、もう、あかん。
どないしよ。


物が安いから給料安いとか、
給料安くて物価も安いとか、
どうしたらいいのよ、と思うよね。
海外はどっちも上がっている、と。
日本は生産性もひっくい、と。


物も安いけど給料安いから優秀な人材は入ってこないし出ていくし、
真面目に働いても給料上がらんとか、
安いから安くなって安いまま、みたいな。


色々な要因が絡み合って、
暗雲たちこめる世の中ですよ、と。
そこへきてコロナでインバウンド需要が大打撃。
いやこれほんとどうなるんだろね。


**どんな本ですか?
100均もディズニーランドも日本が世界一安くなってるぜー給料も増えないしヤバいぜー、という本。
日経新聞の記事から生まれた本。


ヤバいよね。
ヤバいのよ。


日本企業にインド工科大学の生徒がいかにはいってこないか、の話とか、
はーそうですかー、ですよ。


**どんな人に読んで欲しい本でしたか?
・世界規模で俯瞰してみたい人
・今10代20代でこれからどう生きるか考えてる人
・日本語以外の言語で仕事をするなら何語がいいか悩む人
・100均の店長
・ディズニーランドのパフォーマーさん
・給料を全然上げない会社の社長
・給料が全然上がらない会社の社員

「知的機動力の本質 アメリカ海兵隊の組織論的研究」を読んで。読書感想文。

知的機動力の本質 - アメリカ海兵隊の組織論的研究

 

いい読書でした。
著者の野中郁次郎さんは
就職→結婚→UCバークレーに留学してMBA取得(この頃奥さんが働いて支える)→いろんな企業の経営など→日本軍研究・米軍研究→本書く→本書く
みたいなすごい人。


郁次郎ね、Wikipedia見たら戦争中に疎開先で戦闘機の機銃掃射受けて死にかけたんですって。
そこから生きに生きてアメリカ最強の海兵隊の秘密を日本にバラしまくって復讐を果たしたのかもしんないな、と思います。


んで、この人の面白いところが、システム開発の「scrum」の概念とか論文に書いて世界中に広めた人だったり、
いろんな企業の経営に関わったり、日本の経済に大きく貢献したりしてる人のはずなのに、
この本では本当に米軍海兵隊の話しかしなかったこと。


ふと「これって企業にも言えることだけどー」みたいな司馬遼太郎的な脇道なく、
ひたすら海兵隊の話。
ちょっとそれても海兵隊に負けた旧日本軍の話とかくらい。


ブレなさがハンパない。
Wikipedia見るまでガチのミリオタかと思ってた。
かっけーっす。郁次郎さんかっこいいです。


**どんな本でした?
「米軍海兵隊はなぜいつも強いのか」
という点のみにフォーカスしたような本。


精神性、訓練特のブートキャンプの重要性、仲間とのコミュニケーションとチームビルディング、組織をリニューアルし続けること、新たなツールに合わせて進化すること。


太平洋戦争からベトナム経由で中東まで。
海からの上陸作戦から垂直降下作戦まで。
消耗戦と機動戦の違いなどなど。


そうそう、機動戦と消耗戦の対比は、ちょっと前に読んだ項羽と劉邦にも通じるような話で面白かった。
消耗戦はまじめな彼我の引き算。
機動戦は主要なポイントを叩いて相手を戦えなくするための戦い。
旧ドイツの電撃戦とかも機動戦よね。


補給線が途絶えたらどんな軍隊も戦えないし、
王様の一族が途絶えたら盛り上げようにも盛り上がらない。


**どんな人におすすめしたい本でしたか?
海兵隊が好き
・組織運営に悩みがある
・組織を変えていく必要性を感じる
・どんなコミュニケーションをすると「背中を任せられる」ようになるのか知りたい
・宇宙飛行士になりたい