うさみ本棚

うさみの本棚です。おすすめされた本を読みますので、おすすめ教えてください!

会って、話すこと。を読んで。読書感想文。

会って、話すこと。――自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術
いい出会いって人を変えるよな、と思うんすよね。
価値観が変わるような出来事。


人でも企業でも本でもゲームでも、
建物でも自然でも乗り物でも趣味の何かでもいいんだけど、
ある人がそれと出会ったことによって、
その後の人生変わっちゃうような出会い。


寝ても覚めてもそのことを考えるようになったり、
頭の中でロックンロールが鳴りやまなくなったり、
それまでにはなかったようなお金の使い方をするようになったり、
その後の行動を変えるような出会い。


たいてい最初は合理的じゃない場合がほとんど。
その結果大成する人もたまーにいるけど、
そのせいで人によっては身を滅ぼしたりもする。
こういうことが起きるのが、人の面白いところだと思うんです。


んで、出会った相手を完全に変えないまでも、
その後の行動を変えるような人っていうのが影響力のある人なんだろうし、
その後の行動を変えるような本っていうのが影響力のある本なんだろうね。
と思うんです。
そう考えると、今日のこの本は影響力がある本です。


だって私、この本きっかけでうっすら知り合いくらいの人と、
twitterのスペースで二時間くらいお話ししたもの。
しかもその日、著者の田中さんと編集者の今野さんも入ってきてくださって、
たいへん楽しかった。


この本は、コミュニケーション手法とか会話術の本、
っぽいまとめ方をされていますが、
自分以外との向き合い方をまとめてある本です。
「会って、話すこと。」というシンプルなタイトルだけども。
必要十分不足無しのいいタイトル。


タイトルのわかりやすさを裏切らず、
中身もスッと染み込むわかりやすさと説得力。
小手先のテクニックの話じゃなく、その手前の「姿勢」みたいな話。
例えば『日常会話において「ツッコミ」は不要なのだ。』です。


人の動きをよどませずに流れを加速させよう、と。
その結果、川の流れがはやくなるように、水の量が増えていくように、
大きな会話の流れがお互いを幸せにするよね、という話。
ああ、会話の流れのように。
目的達成のためじゃなく、会話で機嫌がよくなれば幸せじゃないか、と。


私は最近、仕事でもコミュニティに関わることが増えて、
「目的達成のための手段としてのコミュケーションのことと、
 コミュニケーションそのものが目的であること」
みたいなことを考えるんです。その二つの割合とか。


ほんとにシリアスな会議とかだと、
そこでされる話は何かの目的達成のためのものだけど、
お互いを知り、結果を大きくするためには思ったことをちゃんと言い合える、
いわゆる心理的安全性がある状況のほうがいい。


となると、その手前の日常会話の段階でも
「いざという時に言うべきことを言える状況」
になっておくのがいいんですよね。
むしろそんな関係をいかに増やせるか、という話があるんだなー。
ああ人生、先は長いぜ。

どんな本なの?

読むと、
「そういう大事なことはもっと早く言ってよ!」
と思うような本です。


私、ダライ・ラマ14世さんの
抱く言葉っていう本の中に出てくる
「人生の目的は、幸せになることです。」
っていう言葉が好きなんです。



この「会って、話すこと。」は、
私にとって、その延長線上にあるような本。
どう幸せに生きるか、を考えるのによい。
世捨て人にならない限りはこの先も誰かと会って話すしね。


で、内容についてもざっくり書くと
・日常会話にツッコミは不要
・自分も相手もお互いに相手に興味はない
・自分のことや相手のことでなく、互いの外部のことを話そう
・会話には結論はいらない
・機嫌よく生きること
・相手との距離の取り方
といったようなことが書いてある本です。


私はとてもとても共感しまして、
「よく言った!」って感じ。
よくぞまとめてくださった。
機嫌がよくなるコミュニケーション方法なんだよね。
心を整える会話。
会話自体は整ってなくても全然OKだけど、


ためになるコラム的文章と、
著者田中さんと編集者今野さんの会話の部分からできていて、
さくさくとたいへん読みやすく、かつ、ためになる本でした。

こんな人におすすめしたい本でした

・人と話すのが好きな人
・人と話すのがめんどくさい人
・着地点がない会話に不安を感じる人
・本音の本が読みたい人


この本を知ったきっかけは、
うっすら知り合い?twitterフォロー/フォロワー同士?同じ職種の異業種の人?
みたいな、伊藤さんかねこさんというお二人が
twitter上でこの本がすごくいい!という話をされていて、
なんなーん読まなきゃー、と思ったことでした。


会話きっかけで会話の本を読んでその後twitterのスペースで会話する、
みたいな会話にまみれた出来事でした。
たいへん楽しい。