最初に出てくる引用文がね
工場を取り壊しても、工場を作り出した理屈がそのまま残っているなら、その理屈が別の工場を作り出すだけだ(後略)
出典:ロバート・パーシグ(禅とオートバイ修理技術)
ですよ。
シビれるでしょう。
ここで言う「システム」って「情報システム」だけの話じゃなくて、「システム」のことね。
企業も、惑星も、発電所も、農園も、アリの巣も、お風呂もシステム、エコシステムもシステム。
もちろん情報システム的なシステムもシステムね。
システムかそうじゃないかの見分け方が書いてあったんだけど
A)部分がどれかわかりますか?
B)部分は互いに影響を与えていますか?
C)部分が合わさることで、各部分だけのときとは異なる結果を生み出していますか?
D)その結果(経時的な挙動)は、さまざまな状況下でも持続しますか?
の4つ。
ほら。すごいイイでしょ?
んで、フロー(インプットとアウトプット)とストックに着目する。
お風呂と企業なんて全然別物じゃん!と思うけど、
なかなか共通点があるものなんですよだってどっちもシステムだから。
部分があって、互いに影響していて、合わさることで各部分だけのときと違う結果が出て、さまざまな状況下で持続する。
全てに対してあらかじめ対応がされているシステム(変わらないシステム)は脆弱で、環境の変化に対応できるのが強いシステムだよー、というレジリエンスの話とかは本当に
「おっしゃるとおりでございます。」
っていいたくなる内容。
いろいろな状況に対応できるようになってるのも大事だけど、
想定していない状況が起きても被害が小さくなるようになってる。
というのも大事。みたいな話。
どんな本なの?
システムとは何か、
システムは何がいいのか、
システムはどんな動きをするのか、
システムを良くするためにどこに注目すべきか、
システムを良くする際にはまってしまう落とし穴はなにか。
みたいなことが書いてある尊い本です。
料理本で言うならさしすせそから書いてあって、
なのに慣れてる人にも響くような本。
料理の四面体みたいな本。
こんな人に読んでほしい本でした。
・世界のことわりを知りたい人
・ストックとフロー、という言葉の奥深さを感じる人
・壊れないシステムを作りたい人
・意図しない挙動をするシステムに疲れている人
・「システム」に関わる全ての人